- アオリイカって雨でも釣れるの?
- 休みの日しかエギングに行けないんだけど
- 雨の日でも釣る方法を教えて!
こんな悩みを解決する記事を書きました。
エギング歴10年以上のぼくが解説していきます。
「アオリイカは雨の日は釣れない」ってのは定説ですよね。
でも、雨でも釣れます!
現にぼくは、雨の日エギングで釣ってきてますから。
ただし、エギング決行の判断と釣るための3つのポイントが大切です。
ホリデーアングラーにとって、エギングのできる休みの日はとても貴重。
「よっしゃあ!今度の休みはなにも用事がない!エギングにGOだ!」と思っていても、天気予報を見たら雨、テンションが下がる瞬間ですよね。
どうしてもエギングしたい。だけど雨。
今までは諦めていたと思います。
雨の日でも釣れることがわかれば釣果アップが期待できますよね。
今回この記事では、『雨だと釣れない理由』や『雨の日のメリット・デメリット』、『雨の日エギング3つのポイント』などを詳しく解説していきます。
この記事を読めば、雨でも最高の1杯を釣り上げることができるようになります。
「雨が降るとアオリイカが釣れない」と言われる理由
ご存じのとおり、海水に住む魚介類は、真水の中では生きることができません。
ここの部分を詳しく解説すると長くなるので簡単に解説すると、一般的に生物の塩分濃度は約0.9%、海水に住む生物も淡水に住む生物も、もちろん陸に住む生物も、体内の塩分濃度を調整しながら生きています。
この塩分濃度のバランスが崩れると生物は生きていけません。
イカの体内の水分量は82%、魚の65%と比べるとはるかに水分が多く、海水の塩分濃度の影響を受けやすいと言われています。
なので、海水に住むアオリイカは雨(真水)を極端に嫌い、釣れないという発想になるわけです。
じゃあ、アオリイカは雨の範囲を避けながら移動してるの?
そんなことはありません。
雨が降ってもアオリイカはちゃんとそこにいるし、外に出ようかと思うくらいの雨なら問題なくエギングは成立します。
雨による塩分濃度の変化は無いに等しい
雨が降ったら海水が薄まって塩分濃度が低くなる。イメージとしてはこんな感じですよね。
なにか忘れてない?
海水って蒸発するんです。
- 蒸発して塩分濃度が濃くなる⇒そこに雨が降って元通りになる
- 雨が降って塩分濃度が薄くなる⇒蒸発して元通りになる
けっきょく元通り!
確かに大きな川の河口付近では、大雨により川から流れ込んだ大量の真水で塩分濃度が薄くなるかもしれません。
けど、雨そのものがアオリイカの生存を左右するほど、塩分濃度に影響を与えることはありません。
ちなみに
- 日本海:約3.4%(ほぼ一定)
- 太平洋:3.3~3.5%
- 瀬戸内海:3.0~3.4%
アオリイカは日本海でも太平洋でも瀬戸内海でも生息しています。
いくら真水に弱いとはいっても、自然に起こりうる多少の塩分濃度の変化はエギングには関係のない話なのです。
現に真水が流れ込む河口付近でもアオリイカは釣れることがあります。
さすがに川の中までは入ってきませんが、活性が上がったアオリイカは小魚を追って塩分濃度の低い河口付近までやってくるのです。
浅いところほど一時的に雨の影響を受ける
先ほど「雨による塩分濃度の変化はエギングには関係ない」と言いました。
しかし、河口付近以外で一時的に影響が出るところがあります。
それは、水深が浅いところ
海水と真水は比重が違います。
- 海水:1.025
- 真水:1.000
海水のほうがわずかに重たいです。
比重の違いから、雨は海水の上に層を作るように溜まり、徐々に海水と溶け合っていきます。
海の下の方は雨の影響が少なく、上に行くほどグラデーションのように塩分濃度が下がっていく。
雨の量にもよりますが、水深が浅い所では底まで雨の影響があると考えて正解。
なので、浅いところにいたアオリイカがちょっと深い場所に移動することが考えられます。
雨のエギングはメリットが少ない!デメリットを中心に解説
雨の日でもエギングはできると言っても、やっぱりデメリットのほうが多いです。
ここでは雨の日エギングのデメリットを中心に解説していきます。
まず、数少ないメリットをサクッと解説していきましょう。
【雨の日エギングのメリット】
雨の日エギングには2つのメリットがあります。
- 人が少ない
- 光量が落ちる
雨の日エギング一番のメリットは『人が少ない』ことです。
エギングシーズンになると、どこのポイントも「人!人!人!」ですよね。でも、雨の日はさすがにエギンガーは激減します。
なので、好きなポイントに入ったり、自由に動き回って気になるポイントに入ることも可能になります。
2つ目のメリットは『光量が落ちる』ことです。
ナイトエギングにはあまり関係ありませんが、デイエギングの場合、光量が落ちているときの方がよく釣れる傾向にあります。
それでは雨の日エギング4つのデメリットを個別に解説していきます。
【雨の日エギングのデメリット】
- 濡れる
- すべる
- モチベーション下がる
- 風・波・雷・濁り
雨のエギングは、メリットよりデメリットを十分理解することが大切です。
ふだん気にならないことでも、雨の日は文字通り命取りになる可能性があるからです。
体も道具も「濡れる」
人間も動物も濡れるのはイヤですよね。
雨が降ればもちろん濡れますし、レインウェアを着れば汗で濡れます。
体も道具も濡れるので、帰りの車の中は不快そのものです。
それに、いくら水弾きがいいPEラインと言っても、濡れたロッドにべったり貼りついて飛距離が落ちる原因にもなります。
ふだん何でもない所が「すべる」
ふだんは乾いているコンクリートや岩場でも濡れればツルっとすべります。
こけてロッドを折ったら大変!(骨を折っても大変!)
急いで歩いたり、岩場を飛んだり、ムリな体勢でのキャストはほんと危険です。
やっぱり粘れない「モチベーション下がる」
雨が降っていないときは釣れなくても2~3時間は粘りますよね。
でも、雨だと「やっぱ釣れないんじゃ・・・」とモチベーションが下がって、そそくさと撤退なんてことに。
「雨の日エギングは釣れない」と言われる理由は、実はモチベーションが下がることで粘れないからじゃないかと思う今日この頃。
コンディション悪し「風・波・雷・濁り」
雨の日は低気圧の影響で風が強かったり、波が高かったりします。
夏から秋にかけては雷雲が発生して、突然、カミナリが「ゴロゴロッ」と鳴ってヒヤッとすることも。
実際に、落雷を受けて海に落下し、命を落とした釣り人は何人もいます。
ロッドは電気を通しやすいですからね。
大雨が降れば濁りの影響も無視できない状況になります。
この天候や海の状況によっては、いくら小雨でもエギングを中止したほうが無難です。
つぎの章では『雨の日エギング決行の判断』について解説していきます。
どうする?雨の日エギング「決行・中止の判断基準」
雨の日に限らず、釣りを楽しむためには天候と海の状況を確認することが第一です。
ぼくの友人は波にさらわれて命を落としました。
関連記事:【エギングにおすすめ】失敗したくない人のフローティングベスト10選
雨の日エギングと聞くと、「雨」にばかり注目してしまうかもしれません。ですが、安全に釣果をあげるためには、ほかの要素にも注目することが大切です。
最近では各地点の詳細な天気予報も確認できたり、ライブカメラで近くの海の状況をしることができるので、うまく活用して決行か中止かの判断をするようにしてください。
ここでは「安全」と「釣果」の両方を意識した、雨の日エギングの決行と中止の判断基準について、優先順位の高い順番に解説していきます。
内容は
- カミナリ注意報が出ていたら中止
- エギングができる波の高さ?
- 風が強いと釣りにならない
- 予報降水量はなんミリが限界?
①~④の判断基準は、実際にぼくがエギングをするかしないかの判断に使っています。
カミナリ注意報が出ているなら即中止の判断
カミナリ注意報が出ていればエギングに行きません。
カミナリにビビりながらエギングをしても楽しくないし、命まで賭けようとは思わないから。
それに、カミナリ注意報は雷だけが危険ということではなく、発達した積乱雲により急な大雨、竜巻などの突風など、激しい気象の変化による危険があります。
海の状況は一瞬で変化します。
なので、ホリデーアングラーで「その日しか行けない」としても、カミナリ注意報が出ているときは潔く中止したほうが身のためです。
エギングができる波の高さ?
多少の波があってもアオリイカは釣れます。
でも、危険!
雨の日は低気圧の影響で波が上がることもしばしば。
港の内側なら気にすることはありませんが、もし外海に面したポイントを狙うなら波の高さにも注意が必要です。
エギングができる波の高さは釣り場の高さに比例しますが、いくら波をかぶらない高さの足場でも波高1m程度が限界です。
これ以上、波が上がるとエギをシャクっていても操作感覚が分からないため、エギング自体が難しくなります。
風が強いと釣りにならない
雨の降る前、雨が止んだあとは風が強く吹くことがあります。
エギングは細いPEラインを操るので、風が強いと横に流されたりエギの飛距離が伸びなかったりします。
ライントラブルの原因にもなるので、風が強い日は断念したほうが良いでしょう。
ぼくの経験上、エギングができる平均風速は4m/秒が限界。
天気予報の風速は、10分間の平均風速で表されるので、風速4mでも瞬間的には10m以上になることもありえます。
予報降水量はなんミリが限界?
雨の日エギングで気になる降水量。
どの程度の雨ならエギングができるかと言うと、1時間当たり1ミリぐらいまでが限界です。
1ミリって聞けば「大したことないじゃない?」と思うかもしれませんが、1ミリの雨は1時間にコップ6杯分ぐらいの水(1リットル)を頭からかぶるようなもの。
なので、レインウェアを着ずにエギングをしていれば、間違いなくびっちゃんこになります。
まっ!1ミリ以上の雨が降っていればエギングに出かけようなんて気にはならないと思います。
雨の日エギングの決行と中止の判断基準をまとめると
雨の日に限らず、エギングをするなら決行か中止かの判断基準が大切です。
ここまでをまとめると
- カミナリ注意報なら中止
- 波の高さは1mが限界
- 風の強さは平均風速4m/秒が限界
- 予想降水量は1ミリが限界
となります。
天気予報をちゃんと確認して、大丈夫そうなら海に出かける。そして、海に着いたら現地状況をちゃんと確認して、エギングを始めましょう!
もし、予報は大丈夫でも現地の状況が悪ければ、潔く中止の判断をしてくださいね。
釣果を上げるための『雨の日エギング3つのポイント』
雨の日でも最高の1杯を釣り上げたい!
そんなあなたは、これから解説する雨の日でも釣果を上げる3つのポイントを試してください。
とても簡単です。
その3つのポイントは
- 河口から離れる
- 外海を狙う
- 狙うは中層より下
これだけで確実に釣れる可能性がアップします。
「アオリイカが釣れない」「エギングが下手」と思っているあなたは、下の記事を読んでください。
参考記事:エギングでアオリイカが釣れない原因は「たった2つ」場所と時間を攻略すれば必ず釣れる
河口から離れる
ちょっとやそっとの雨では「海水の塩分濃度には影響はない!」と言いました。
ですが、河口付近は別です。
雨で水かさが増せば、当然ですが川から海に流れ出る真水の量は増えます。
海水と真水では比重が違うのですぐさま混ざり合うことはなく、河口付近には真水の領域が広がります。
普段なら釣れる場所でも雨の日はアオリイカが少し離れてしまいます。
それに雨の日や雨の後は川から濁った水が入っていることもあるので、アオリイカは捕食活動をしません。
なので、雨の日は大きな川の流れ込みがない漁港や磯場が◎
外海を狙う
漁港の内側は潮の流れが緩やかで比較的浅いところが多く、海水と真水が混じり合ったり入れ替わったりするまでに時間がかかります。
雨の日や雨の後は、真水の影響を避けてアオリイカは底にべったりで狙うのが難しい状況。
こんなときは気持ちを切り替えて、あっさり外海を狙うほうが釣れる可能性はアップします。
普段から漁港の内側だけではなくて、外に面した場所も探しておきましょう。
狙うは中層より下
ボトム(底)を狙うのはエギングの基本と言われていますよね。
ぼくはあまりおすすめしませんが・・・
雨の日はなるべく水深のある場所で中層より下、ボトムより少し上を狙っていきましょう。
ムリにボトムまで落とすことはありません。
なぜなら、雨にプラスして根がかりでモチベーションが下がるからです。
ボトムを意識することは大切ですが、あくまで根がかり回避のためだと思ってください。
雨のエギングに必要な装備はコレ!
雨の日は通常の装備に加えて、雨用の装備があったほうが快適にエギングできます。
想像は付くと思いますが、雨の日にあった方がいい装備は
- 長靴
- レインウェア
- 帽子(キャップ)
ひとつずつ簡単に解説します。
通常の装備は下の記事で解説しています。
参考記事:「エギングに必要な装備はこれだ!」私のエギングランガンスタイル
濡れ・ムレ・すべりから守る「長靴」
雨の足元は大変すべりやすいですし、スニーカータイプの靴だと濡れたら気持ち悪いですよね。乾かすのも手間がかかりますし。
なので、雨の日エギングに長靴は必須アイテムです。
ぼくは年中長靴です!
長靴は滑りにくいフェルトタイプが一番!
シマノやダイワの長靴なら快適性も考えてあるので、暑い雨の日でも蒸れずに快適に過ごせますよ。
詳しい選び方は下の記事で解説しています。
参考記事:【初心者必見】エギングシューズの選び方「転ばないためにも、足元を固めましょう!」
体力の低下を防ぐ「レインウェア」
レインウェアの目的は濡れないことです。
「暑いから濡れてもいい」と思うかもしれませんが、雨に濡れると必要以上に体力を奪われます。
しかも、気温が下がることもあるので、濡れた体では風邪をひいてしまいます。
レインウェアは寒いときにサッと羽織ればちょっとした上着になるので、持っていても損はないアイテムです。
選び方は、ちゃんとした防水性能、ムレを逃がしてくれる透湿性能があればOK。
とくに値段の高いゴアテックスを買う必要はありません。
ホームセンターやワークマンのレインウェアで十分です。
普段のエギングの服装については下の記事で解説しています。
参考記事:エギングの服装は作業服がおすすめ!「動きやすく汚れても平気」
「帽子」をかぶれば雨が顔に当たらない
雨が顔に当たるとけっこう不快ですよね。
つばのある帽子をかぶっておけば、雨が顔に当たるのを防いでくれます。
晴れた日でも、偏光サングラスを使うときでも、つばのある帽子は必須アイテムなので、持っておいても損はありません。
参考記事:エギングにおすすめ偏光サングラス「地形を把握すれば釣果もアップ」
あとは、着替えとタオルぐらいは車に積んでおきましょう!万が一濡れた場合、車のシートが濡れちゃいますもんね。
エギング仕様車の装備については下の記事で解説しています。
参考記事:めざせ!エギング仕様車【WAKE(ウェイク)】爆速で付けた重要装備
雨の日でも釣れるおすすめエギカラー
雨の日におすすめと言うか、どんな天候でも、朝でも夜でもおすすめするエギがエギ王Kの「ムラムラチェリー」です。
ムラムラチェリーはどんな状況でも勝てるオールラウンダー!
これ一本あればとりあえずOKだと思う今日この頃です。
もっと詳しいエギの選び方は下の記事で解説しています。
参考記事:「エギってどれがいいの?」やっぱり安定のエギ王Kでしょ!
【まとめ】釣れる!雨の日エギング
雨の日でも釣れます!
今まであきらめていた雨の日。
ホリデーアングラーのあなたも雨だからと言って諦めないでください。
きっと最高の1杯を釣り上げることができます。
ただ、雨の日は危険もありますので、十分に気をつけて雨のエギングを楽しんでくださいね!