「できる現場監督には流儀がある」一流の現場監督がすること・しないこと

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あなたは一流の現場監督?それとも二流?三流?

私も現役の現場監督であるが、まだまだ一流とは言えない。しいて言うなら二流であろうか。

20数年間、現場監督を務めてきた私が「一流の現場監督とはなにか」「一流の現場監督の流儀とはなにか」を改めて考えたとき、見えてきたものがある。

二流の私から見て一流と思える現場監督には必ず共通する流儀がある。

そこで今回この記事では、一流の現場監督が「すること」「しないこと」についてお伝えしたい。

とくに駆け出しの若い監督や行き詰まった監督に見ていただきたい。

一流の現場監督の流儀を知り少しでも実践していけば、会社はもとより下請けの職人さんや発注者から必要とされる人財になることは間違いないであろう。

目次

一流の現場監督がすること

一流の現場監督はこれからご紹介する「すること」を無意識にしているのであろう。

逆にできない現場監督は意識はしていても「しない」「できていない」ことと言える。

基本中の基本!5Sができている

一流の現場監督を見極めるためには次の2点を見ればすぐわかる。

  1. 机の上
  2. 車の中

机も車もだいたいその本人しか使わないものである。

その本人しか使わないものはその本人しか片付ける人がいないということ。

仕事が雑な現場監督、人任せな現場監督は、机の上は書類やゴミの山、車の中もゴミだらけで道具は散乱し、どこになにがあるのかわからない状態。

一流の現場監督は、散らかった状態では仕事の効率が格段に下がるということを知っている

だから身の周りは常に整理整頓されているのだ。

現場に目を向けても同じである。

休憩所の中やトイレ、資材置場などもきちんと整理整頓清掃されているだろう。

一流の現場監督は5S「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」をちょっとした時間にやっているだけなのだ。

できない監督はちょっとした時間になにをするかと言うと、スマホゲームやユーチューブである。

このちょっとした時間の使い方が「できる現場監督」と「できない現場監督」の差を大きく広げるのである。

仕事ができない理由は「気づき力」が足りないから

職人並みに道具を大切にする

現場監督に限らず、どんな仕事でも道具は「飯のタネ」である。

例えばいくら腕のいい大工さんでも「手で釘は打てないし歯で木を切ることはできない」すなわち道具がなければ家を建てることはできない。

現場監督もスケールがなければ長さを測ることができないし、金づちやノコ、カケヤがないと丁張りすらかけられない。

一流と呼ばれる人間は、道具がないとなにもできないことを知っている。

だから一流の現場監督は道具を大切にするのだ。

その一方、できない現場監督は人から借りることを想定しているため、仕事に必要な道具を持っていない。

経費で買える道具すら買おうとはしない。

しかも人から借りた道具もどこかに置き忘れたり無くしたりするし、言われるまで返さない。

道具を返さないと貸してくれた相手が困ると言うことを理解していないし、道具の大切さがわかっていない証拠である。

職人さんが持っていればいい!は二流以下の考え方

メールの返信は「即レス」が基本

「即レスする派」と「即レスしない派」、どちらが仕事ができる人間かという議論がある。

ネットで「即レス 仕事」で検索すると1ページ目には、即レスはやめたほうがいいといった記事が並ぶ。

なぜ「即レスはやめたほうがいい」などの結論に至るのかは理解できないが、メールを開いて来ているメールをチェックするのであれば、返信できるものはすぐに返信してしまったほうが効率がいい。

例えば社内行事への出欠確認のメールが届いているとしよう。

返信の期限までには1週間あり、その行事そのものは2週間後に開催される。

自分自身が参加するかしないかだけのことなのに、こういったメールもギリギリまで返信しない人がいる。ヘタをすれば返信を忘れて相手から催促の電話がかかってくる始末。

メールというのは次々と送られてくるため、1週間後の返信期限のころには下のほうに埋もれている。

新しいメールには目が行くが、読み終わったメールなんて気にしない人がほとんどだし、返信するためにそのメールを探し出すのも一苦労である。

ヘタをすればそのメールそのものを消してしまっている可能性もある。

結局のところ後で後でと先送りにすれば、余計な手間は増える一方であるし、相手にも迷惑をかけることになる。

一流の現場監督はメールの返信が早ければ早いほど、手間がかからず相手も助かることを知っている

だから一流の現場監督は「即レス」が基本なのだ。

きちんとメモをとり優先順位を決める

メモは電話や会議であった重要なものだけを記録しておくためだけではなく、今日することや明日することを書き出したり、頭の整理をするときにも使える。

一流の現場監督は人間は忘れる生き物だということを知っている。

今日することを箇条書きで書き出し優先順位を決めておけば、時間を効率よく使うことができ、重要なことをやり忘れることもなくなる。

他にも頭の中の考えを書き出すことで頭の整理ができパニックになることもなく冷静でいられる。

一流の現場監督はメモをうまく活用しているのだ。

メモはいらないコピー用紙の裏に手書きをする。キレイに書く必要もない。修正もペンで二重線を書けばいい。

スマホやパソコンでメモを取ることはおすすめしない。

なぜなら自由度がなく、メモソフトを起動するまでに時間がかかるからだ。

コピー用紙の裏なら好きな時に好きなように書ける。デスクの横に置いておけばすぐに見られる。

不要なメモはリサイクルに回せばいい。

詳細な工程が組めて手配がしっかりできる

工程管理は現場監督の腕の見せどころである。

流れるように工程を進めるには、もちろん行き当たりばったりではうまくいかない。

だから一流の現場監督は日単位の詳細工程を数ヶ月先まで組んでいるのである。

「日単位の詳細工程を組んでもズレるのでは?」

と思われる方は残念ながら二流以下の現場監督である。

一流の現場監督は「ズレる」ことも予測して工程を組んでいるのだ。

万が一天候などにより工程がズレても、各所にズレを吸収できるポイントを作ってある。

だから一流の現場監督が作る工程表は、特別なことがない限り、早まることはあっても遅れることはないのだ。

日単位の工程表ならいつの段階でなにを手配すればいいかが一目瞭然である。

だから材料の手配の遅れで現場が止まることもない。下請けさんにも予定を伝えやすく、職人さんの乗り込みが遅れることもない。

一流の現場監督がしないこと

次は一流の現場監督がしないことに目を向けてみる。

独りよがりで現場を進めることはしない

一流の現場監督はなんでもスパッと決めて現場を進めているイメージがあるが、これは間違いである。

できる現場監督ほど詳細な打ち合わせを重ね、職人さんたちの意見を現場運営に取り入れているのだ。

二流以下の現場監督によく見られる傾向が「私が現場のトップだから下請けや商社は私の段取りに従っていればいい」という独りよがりの考え方である。

この独りよがりの現場運営では、うまくいくこともうまくいかなくなる。

実際に現場を進めるのは現場監督ではなく、職人さんや材料を入れてくれる商社さんなのだ。

現場監督は現場に関係する人たちの調整役であり雑用係である。

職人さんや部下の失敗に怒らない

当たり前だが誰でも失敗はする。

職人さんや部下である若い人たち、もちろん現場の責任者でもある現場監督も失敗はする。

怒ってもなにも解決しないことを知っているから、一流の現場監督は人の失敗に対して怒らない。

一流の現場監督は「失敗をどうリカバリーするか」「失敗を防ぐためにはどうするか」「私の指示や調整が曖昧だったのでは」など先に目を向けているのである。

やたらと怒鳴り散らす現場監督は「人に厳しく自分に甘い」ところがあり、自分の失敗を人のせいにしたり隠そうとする。

怒鳴られた職人さんや部下たちは気持ちが萎縮してしまい、失敗を恐れるあまり動きが鈍くなる。

こうなると負のスパイラルに陥り、なにもかもがうまくいかなくなる。挙句の果てにはケガや事故などの大きなトラブルの原因になりかねない。

怒るという行為は「百害あって一利なし」なのだ。

不要な残業、休日出勤はしない

建設業にも働き方改革の波が押し寄せている。

5年ほど前までは残業をしてなんぼ、休日出勤をしてなんぼの業界だった。

確かに現場監督は仕事量が多く激務だと知られている。

残業や休日出勤をしないと現場が遅れてしまうなど常に仕事に追われている感じがあった。

しかしふと振り返ると5年前でも10年前でも、一流の現場監督は残業や休日出勤が少ないことがわかる。

要するに一流の現場監督ほど仕事が早く、時間を効率よく使っているのだ。

二流以下の現場監督ほどダラダラと残業をし、必要もないのに休日出勤をしたがる。

これはその残業や休日出勤が必要か不要かの判断もできない、日中の時間の使い方が下手と自ら公言しているのと同じである。

一流の現場監督になれば残業をしない時間の使い方、休日出勤をしなくてもいいような工程の組み方ができるようになる。

これが一流と呼ばれる所以である。

自分の時間を作って人生を豊かにしませんか?

仕事を人生のすべてにしない

現場監督はその責任の重さゆえに「生活のすべてが仕事中心」になりやすい。

意外かもしれないが、一流と呼ばれる現場監督ほど自分の時間を大切にしており、家にいるときなどの自分の時間では「仕事のことなど忘れている」のである。

仕事のことを忘れられるのは、仕事の時間には集中してやるべきことをこなし、次の日の段取りもしっかりできているからである。

だから家にいて仕事のことなど思い出す必要がないのだ。

しかも目的と手段をちゃんと理解している。

これは人生において、仕事は生きるための手段であることを明確にしているということである。

二流以下の人は「目の前の仕事が人生のすべて」になりやすい。

「生活のための仕事か」「仕事のための生活か」

一流になるためには目的と手段を理解する必要がある。

一流の現場監督は完璧主義ではない

「一流の現場監督=完璧主義」ではない。

一流の現場監督ほど完璧主義を捨てており、いい加減(程よい加減)を知っているのである。

そもそも現場に完璧なんてものは存在しない。完璧を求めてもキリがない。

そんな幻想の完璧を求めて時間をかけるよりも、自分の中の60点で仕事をこなしていくほうが明らかに効率がよく、現場はスムーズに回る。

それに現場監督が完璧を求め出すと、職人さんや部下たちは「もういい加減にしてよ」と心の底から思うようになり、ますます時間を取られるようになる。

最終的には表面上だけ完璧に見せて、中身がほんとうの意味でいい加減になる。

完璧を求める人ほど優秀ではないということを覚えておこう。

一流の現場監督まとめ

一流の現場監督の流儀とは

「なにが必要で、なにが不要か」を明確にして決め引きが付けられることである。

そして一流の現場監督はある意味「仕事を楽しんでいる」とも言えよう。

私が二流というのは、この仕事を楽しむことができていないからだ。

人生を楽しく生きる上で「仕事を楽しむ」ことができれば一流の現場監督になれることであろう。

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