- 人生100年時代
- 終身雇用の崩壊
- 定年制度撤廃
だれもが一度は聞いたことがあると思います。
これ、遠い未来の話ではありません。
が、しかし具体的になにをどうするのかを考えたことのある方は少ないと思います。
実はこれ、現場監督にとってとても重要な話なんです。
そこで今回この記事では、「現場監督のセカンドキャリア」について解説していきます。この記事を読めば将来を見据えたセカンドキャリアを構築できます。
現場監督ってどこまでいっても現場監督
ふつうの仕事って歳をとったら管理職になったり、社員の育成に関する部署に配属になったりします。
なので、体力的に楽になったり、仕事量が減ったりして比較的楽な業務に就くことができるのですが、現場監督は違います。
現場監督って歳をとっても現場監督なんですよね。
現場監督の仕事は楽にならない
- 管理職のイスが少ない
- 役職が上がっても現場監督
- 部署異動がない
確かに現場監督は給料もいいし、最近では働き方改革のお陰で休みが多くなりました。とは言え、現場監督の仕事の中身って変わらないんですよね。
しかも、現場監督って課長や部長のイスは限られているから、頑張ってもタイミングが合わなければ管理職にはなれないし、よほど大手のゼネコンじゃないと社内の管理的な部署はないから異動はありません。
だからスキルや経験値が上がっても、いつまでも現場監督、楽にならない仕事なんです。
歳をとってからのキャリアチェンジは厳しい
もちろん現場監督の仕事が好きな方はいいと思います。
ですが、体力的にキツイ、責任の重圧に耐えられないって方もいるし、いつまでも現場監督なんて「やってられねーっ!」って方も多いと思います。
歳を取っても続けられる仕事にシフトしたいですよね!
定年まで勤めてから次のキャリアを考える方がいますが、手遅れです。
定年後でも現場監督としての需要はあります。同じ会社に再雇用という形で雇われるか、小さな建設会社の施工管理をするかです。
どちらにしても、給料はかなり下がります。ですが仕事は同じ現場監督です。
別の仕事を探しても安い求人ばかりだし、歳をとってから「また1から」仕事内容を覚えるのは厳しいですよね。
だから早いうちにセカンドキャリアを考えておく必要があるのです。
セカンドキャリアとは?
セカンドキャリアについて解説します。
セカンドキャリアとは、人生をより充実したものにするためのスキルアップを含めた新たな仕事の選択のこと。
最近「学び直し」とよく耳にすると思いますが、これもセカンドキャリアを意識したもの。
アメリカとかではふつうですよね。
要は、年金も少なくなることだし、自分のスキルを磨き直して長くできる仕事を見つけていこうねってことなんです。
関連記事:「経験が活かせる異業種7選」土木系施工管理からの現実的な転職
セカンドキャリア構築の大切な5ステップ
セカンドキャリアを構築していくためにはステップが大切です。
そのステップは
- 人生設計
- 自己分析
- 仕事への理解
- 環境変化への対応
- スキルアップ
この5ステップはカンタンであり難しいです。
誰にでも実践可能なカンタンなステップでも、自分事として捉えることができなければ実践は難しいと言えます。
冒頭でもお話したとおり
- 人生100年時代
- 終身雇用の崩壊
- 定年制度撤廃
このような人生において重大な課題を目の前にして「ふーん」「自分には関係ない」など、ピンッとこない方が多いのも事実なんです。
5つのステップの中には書いていませんが、セカンドキャリアの構築をいかに自分事と捉えるかがもっとも重要だと言えるでしょう。
それでは、セカンドキャリア構築5ステップを詳しく解説していきます。
ステップ①:人生設計
ここで言う人生設計とは、結婚や子育て、定年後をどう過ごすかとは別に、「仕事を通じて、どのように充足感を持つか」に主眼を置いたプランのこと。
社会人になってからの人生の約1/3は仕事です。睡眠を除けば1/2は仕事です。
人はネガティブな方向に引っ張られる心理が働きます。
なので、仕事に不安や不満を抱えていると人生そのものがつまらないもの、すなわち充足感のない人生を歩むことになります。
要は、仕事が充実しないとプライベートも充実しないということ。もっと言えばプライベートだけの充実はあり得ないのです。
1年後、3年後、5年後、10年後、20年後、自分はどういう生き方をしているのか具体的に考えてみましょう。
たとえば
- 1年後:将来のためにスキルを習得
- 3年後:起業する
- 5年後:年収1,000万円達成
- 10年後:パソコン1台持ってノマド生活
- 20年後:資産運用の収益で旅行三昧
この例は結構おおざっぱに書きましたが、もっと詳細に考えてみてください。
現実離れしていても大丈夫。
あなたが思い浮かべる夢をどんどん挙げていきましょう!
このとき感じたワクワク感が大事なんです。
つぎの仕事と聞くと、別の会社や別の職業への転職を思い浮かべますが、転職だけが道ではありません。
セカンドキャリアには起業という道もあります。
ステップ②:自己分析
セカンドキャリアを構築する上で「自己分析」はとても大切です。
自己分析とは早い話
- 合う・合わない
- 向く・向かない
- 好き・嫌い
- 得意・苦手
- できる・できない
など、自分の『性格』『価値観』『スキル』を洗い出して、自分にピッタリの仕事を見つけていく作業です。
自己分析が完了すれば、ステップ①の人生設計をより具体的にイメージできるようになります。
厚生労働省の調査によると、日本にある仕事の数はなんと1万7000種類以上。
だから現場監督の仕事が合わないと悩むことはありません。1万7000種類の仕事の中から、あなたにピッタリで長く続けられる仕事が見つかります。
ここで自己分析のやり方については解説しませんが、下の記事で詳しく解説していますのでそちらを参考にしてください。
参考記事:現場監督を辞めて次は何をする?年収や勤務時間より大切!自己分析のお話
ステップ③:仕事への理解
仕事への理解とは、ステップ②の自己分析で得た「自分に合う仕事」を深掘りして調べる作業です。
- どんな仕事なのか
- 将来性はあるか
- 人生設計と合致するか
- 転職か・起業か
- どんなスキルが必要か
自分の将来像を思い浮かべて、「その仕事をしている自分」をイメージできるか、「その仕事をしている自分」が幸せを感じているかなど、具体的に思い浮かべながら調べていきましょう。
ステップ②の自己分析をすると、自分の適性に合った仕事が10~20個ほど割り出されます。
すべてを検討するには時間がかかりすぎるので、「やりたくない仕事」を順番に消していき、最終的に5個以下ぐらいまで絞り込むといいでしょう。
人によっては10~20個の仕事を見たとき、「これだ!」と決められる方もいます。
このステップ③の仕事への理解で、その仕事をするために『必要なスキル』『必要な資格』『必要な設備』や『必要なお金』などを具体的に割り出していきます。
そして、ステップ①人生設計の「1年後、3年後、5年後、10年後、20年後の自分」に当てはめ、1年後には資格を取得する、3年後にはスキルを身に付ける、5年後には転職するなど、いつまでになにを実行するか詳細な工程を立てていきましょう。
ステップ④:環境変化への対応
環境変化への対応とは、セカンドキャリア構築にあたり仕事や生活スタイルの変化を恐れず受け入れることです。
転職するにしても起業するにしても、生活スタイルは変わります。
- 仕事内容
- 時間
- 場所
- 人間関係
- 収入
人は今までの環境が変わることを極端に恐れる性質があります。これを心理学用語で現状維持バイアスと呼びます。
セカンドキャリアを構築する上でいちばん壁となるのが現状維持バイアス。
人生において重大な課題を目の前にして自分事と捉えられないのも、現状維持バイアスが働き。
現状維持バイアスに打ち勝つ方法は、変化を知ること、そして現状維持バイアスの存在を知ることです。
ステップ⑤:スキルアップ
最後のステップ「スキルアップ」では、次の仕事に必要な勉強や資格取得するのはもちろん、自分自身の人間力アップも目指していきましょう。
資格はスキルの証明を客観的に行うための大切な要素。転職する際には大きな武器になりますし、知識の証明にもなります。
また、資格だけではなく、つぎの仕事に関する知識は日ごろから勉強することが重要です。新し仕事のスタイルに早く馴染むため、具体的に習慣に落としこんでいくことも必要になってきます。
現場監督のスキルは高いと言われていますが、足りないスキルもたくさんあることを知り、早い段階から身に付けるようにしましょう。
- ビジネスマナー
- 接客スキル
- コミュニケーションスキル
- マーケティングスキル
- ライティングスキル
- 育成指導スキル
- 心理学的スキル
- 経営スキル
- マネースキル(投資スキル)などなど
セカンドキャリアを成功に導くコツ
セカンドキャリアを成功させるためには、合う仕事を見つけてスキルを磨くだけでは不十分な面もあります。
セカンドキャリアは新卒とは違い、社会人としての経験を発揮しなければいけませんし、転職する場合は企業から求められるものを理解しておかなければなりません。
起業する場合においても、顧客から求められるものを理解しておかなければ成功への道は険しいものとなります。
ここでは、セカンドキャリアを成功に導くためのコツを解説します。
使えるノウハウの習得
「資格を持っています」と「仕事ができます」はまったくの別物です。
たとえば、一級土木施工管理技士を持っているだけでは現場をうまく運営していくことは不可能ですよね。臨機応変な対応だったり、うまく回していくノウハウが必要になってきますよね。
たしかに資格や知識は必要です。
ですが、仕事をする上ではさらに使えるノウハウが必要になります。
- 経験者に話を聞く
- 実際に体験してみる
ぼくがおすすめするのは「アルバイト」です。
アルバイトを通じて、実際の仕事を肌で感じることができるし、収入にもなります。うまくいけば、そのままスキルを積み上げて転職できるかもしれません。
ほかにも、ECサイトや物販で起業したいと考えるなら、副業ではじめてみるのも手です。自分で一からサイトを立ち上げ、運営してみる。やりながらスキルやノウハウも習得できるのでおすすめです。
参考記事:【まずは月1万円】現場監督におすすめな副業はこれ!自分で稼いで3つの自由を手に入れる
経験を活かす意識
転職する場合、企業が期待する部分は経験です。
異業種に転職する場合
- 現場監督の経験が異業種に通用するだろうか
- 転職するにしても現場監督の経験って活かせるだろうか
と不安に思いますよね。
大丈夫です。
- PCスキル
- ITスキル
- リーダーシップスキル
- 問題解決スキル
- 交渉スキル
- スケジュール管理スキル
- 予算管理スキル
- 安全管理スキル などなど
このような現場監督の持つスキルをアピールポイントをして整理しておくことで、履歴書や面接の武器になります。
当たり前のスキルだと思わず、前面に押し出していけばセカンドキャリア成功のポイントになることは間違いないでしょう。
高い人間力
重要なのが人間力です。
- コミュニケーション能力
- 自己管理力
- 柔軟性
- 覚悟や勇気
- 人や社会貢献への使命感
- 誠実さ、倫理観の高さ
いくら仕事ができても、人間力が低いと企業から敬遠されたり、起業してもお客さんが寄り付かないなどの弊害があります。
仕事以前に「人としてどうなのか」がとても重要です。
現場監督の地位や立場を利用して、人を見下すような発言をしたり横柄な態度をとったりする方は論外です。今の会社ではやっていけるかもしれませんが、人手不足の建設業界でもこのような人間力の低さが目立つ人は必要とされません。
異業種への転職ならなおさら必要とされません。
人間力の高さは一朝一夕で身に付くものではありません。
日ごろの仕事の場面や日常生活から自分の在り方を見直し、正していきましょう。
人間力を磨くには「読書」が有効です。
多彩な価値観を知り、相手の立場を尊重するような、そんな人間力の高い人になりましょう。
【まとめ】現場監督からつぎのキャリアへ
今回は現場監督のセカンドキャリアの構築について解説してきました。
セカンドキャリアはただの転職とは違います。
理想の人生を手に入れるための先を見通した行動です。
セカンドキャリアの構築には時間がかかります。なので、早め早めに段取りをして、理想とする人生にステップアップしていきましょう!
段取り八分っていいますもんね!