- 近くを通られると気になってくつろげない
- 丸見えだとなんだか緊張する
- となりの人にジロジロ見られるのやだな
こんな風に「キャンプをしたいけど見られるのはイヤ」と、他人からの視線に抵抗を感じる方も多いですよね。
実は、キャンプが疲れる原因のひとつに「プライバシーが確保されていない空間での生活」があります。他人と距離が近い、他人の視線を遮るものがない空間は思った以上にストレス。
キャンプは非日常を楽しむ空間であると同時に、ふだんの喧騒を離れて癒されるもの。気疲れでヘトヘトになるキャンプは本末転倒ですよね。
ぼくは小学生からキャンプを始めて30年以上。自宅の庭やアウトドアリビングで週末アウトドア飯を満喫しています。
今回この記事では、キャンプでの目隠しアイテム「陣幕」のメリット・デメリットを徹底解説していきます。
この記事を読めば、隣人や通行人を気にすることなくキャンプを楽しめます。
結論として、陣幕があれば手軽にプライベート空間が確保できます。恥ずかしがり屋さんや人見知りの方、キャンプに来てまで他人とコミュニケーションを取りたくない、そんな方に陣幕は必須アイテムです。
そもそも陣幕とは?1300年前から存在する軍事カーテン
陣幕はもともと、野外の軍事拠点を取り囲む軍事カーテンとして使われていました。
平安時代後期(約1300年前)の書物「今昔物語集」に、陣幕の内側で眠る兵士の様子が描かれています。
敵に姿を見られないための目隠しだったんですね。
キャンプで使う陣幕とは?
キャンプの陣幕は、幕とポールで構成され、ロープとペグで固定します。
キャンプでの陣幕の主な用途は、焚き火の風防(風よけ)です。風が強いと、風にあおられて炎が大きくなったり、火の粉が舞ったりします。陣幕を張り風の影響を抑えることで、多少の風でも安全に焚き火ができます。
素材はポリコットン製の生地がメイン。
火に強く、火の粉が降りかかっても溶けたり燃えたりしにくいのが特徴です。
このほかにも、陣幕にはメリットがあります。
陣幕3つのメリットはこれ!
陣幕を設置するメリットはつぎの3つ。
- プライベート空間の確保
- やっかいな風の影響を抑える
- 冬場の暖房効果を高める
それぞれ解説していきます。
プライベート空間の確保
陣幕の真骨頂は目隠しにあります。
テントがあると言いながらも、キャンプでの活動はほぼテントの外。料理を作るのも食べるのも、焚き火をしながらゆっくりお酒を味わうのも外。
常に誰かの視線にさらされ気が抜けない状況は仕事と同じ。せっかくキャンプに来たのですから他人の視線から解放されてのんびり過ごしたいですよね。
いくらキャンプだからと言っても、やっぱり目隠しは必要です。
タープでも目隠しは可能です。しかし、タープでの目隠しは屋根の有効面積が狭くなり、本来の屋根としての機能を十分に発揮できません。
なので目隠しは陣幕がベストです。
陣幕は自由に設置できる
陣幕なら自由な場所に設置することができます。
区画サイトであれば人が歩く通路側、フリーサイトならとなりの目線を遮るように設置することができるので便利です。
また、キャンプだけではなく、自宅の庭でもBBQやお子さまのプール遊びの目隠しにも使えます。
フリーサイトの陣地確保にも
トナラーはどこにでも現れます。
周囲が空いている状態にも関わらず、あえてとなりに来る人のこと。
広い駐車場でもありますよね。スカスカに空いているのにとなりに停める人。
フリーサイトでも同じ現象が起こります。
ほかにも空きがたくさんあるのに、わざわざとなりに設営する人。キャンプでは一度設営してしまうとおいそれと移動することができません。
せっかく静かな場所でまったりキャンプを楽しもうと思っていても、となりに設営されてしまうと台無し。
混んでるサイトでは、お構いなしに目の前に侵略してくる強者までいます。
くつろぎスペースが向き合う形なら最悪ですよね!
あらかじめ陣幕を張っていると陣地の確保ができます。
むだに広くすることはありませんが、必要最低限のパーソナルスペースを確保できます。
女性ソロキャンプの防犯対策にも
女性のソロキャンプを狙った変な人が出没します。
変な人は「視覚」で狙いを定めるので、なるべく姿を見られない工夫が必要です。
陣幕で目隠しをすると姿を見られることも減りますし、何人でキャンプをしているのかなど、中の状況がわかりづらく声をかけにくいので変な人も近寄りにくくなります。
女性のソロキャンプでは防犯上、陣幕での目隠しが有効になります。
ただ、屋外は屋外。中には就寝中のテントに侵入してくる輩もいます。十分に気を付けてください。
女性ソロキャンプの防犯対策については、下の記事でくわしく解説しています。
やっかいな風の影響を抑える
風は意外と厄介なものです。
焚き火であれば、火がつけにくかったり灰や火の粉が飛んだり。
自分のテントに灰や火の粉が降りかかるのは我慢できます。しかし、近くにある他人さまのテントを汚したり穴を空けてしまったりしては大変。トラブルの原因にもなります。
こんな状況ではおちおち焚き火をしていられません。
料理の熱源を焚き火だけに頼っていた場合、キャンプを断念するはめにもなります。
紙皿を使う方であれば、一瞬の風で飛ばされることもあります。
ぼくも紙皿愛好家。紙皿のネックは軽いこと。陣幕を使うようになってからは、飛ばされることがなくなりました。
陣幕を風上に設置すれば風の影響を抑えることができます。
夜中に風が強くなることもあるので、備えあれば憂いなし。陣幕で事前の対策をおすすめします。
ただ、陣幕自体が風に煽られて飛ばないよう、ペグやロープを多めにしてしっかりと固定しておきましょう。
冬の暖房効果を高める
冬のキャンプではサイトをこじんまりとまとめ、陣幕で囲ってみましょう。
暖かさがぜんぜん違います。
陣幕は風を防ぐほかに、焚き火や薪ストーブの熱を反射させるリフレクターの役割も。
反射した熱をテントに向けるとテントの中までほんわり暖かく、冬でも快適に過ごせます。
また、メーカーによってはパップテントの前幕として使え、冬のおこもりキャンプにぴったりです。
陣幕のデメリット「慣れるまで設営がむずかしい」
陣幕のデメリットは設営がむずかしいこと。
なにもないところに布一枚を立てるには「慣れ」が必要です。
ふたり以上いれば支える人、固定する人と役割分担できますが、ひとりだと手順をおっていかないとうまく立てることができません。
目隠し陣幕の選び方
陣幕はサイズや形がさまざま。
目隠しに使う陣幕の選び方を解説します。
選び方のポイントはつぎの3つ。
- 高さ140cm前後が◎
- アレンジ張りができる
- 火に強いポリコットン
下の記事で、目隠しにオススメな陣幕5選を厳選してご紹介しています。
高さ140cm前後が◎
市販されている陣幕の高さは70cmから140cm程度です。
目隠しとしての機能を果たすなら、高さ140cm前後がベスト。
高さ140cm前後あれば、陣幕の横を歩かれても視線を遮ることができます。
ぼくの場合(身長170cmちょっと)ですが、地面から頭の先までの高さは
- 地べたに座った状態:約90cm
- ローチェアに座った状態:約120cm
高さ70cmの陣幕があれば、焚き火の風よけの役割は果たします。しかし、地べたに座った状態でも顔がひょっこり飛び出すので目隠しの役割は果たしません。
高さ100cmの陣幕でも、人が近くを通れば丸見え。
陣幕の高さが140cm前後であれば、ローチェアに座った状態でもほぼ視線を遮ることができます。
なので、陣幕を目隠しとして使うなら、高さ140cm前後を選びましょう。
アレンジ張りができる
陣幕の幅(長さ)があると、サイトの広さや周辺の状況に合わせてアレンジ張りができます。
たとえば、直線的に使うのはもちろん、コの字にしたりL字にしたり。
ただ、幅がありすぎると設営が大変になるので、全幅3m~4mがベストです。
ぼくの使っているワンティグリスの焚き火陣幕は、三角形の部分も合わせて約3.9m。ソロでもファミリーでも使い勝手が良いサイズです。
火に強いポリコットン
ポリコットンとは、ポリエステルとコットンの良いとこどりをした素材です。TC素材とも呼ばれます。
雨にも火にも強く、耐久性もバツグン。
市販されている陣幕の中には、火に強いとうたいながらも「ポリエステル」や「ナイロン」のものがあります。もちろん、ポリエステルやナイロンでも火に強い加工がしてあるものもありますが、実力は圧倒的に違います。
購入する際は、「ポリコットン」や「TC」の表示をよく確認しましょう。
【まとめ】陣幕で自分だけのキャンプを
今回は陣幕で目隠しアイテム「陣幕」を解説しました。
キャンプでは焚き火の風よけとして使われることが多い陣幕ですが、本来は目隠しアイテムです。
人は視線を感じるとリラックスできません。
せっかくのキャンプ、隣人や通行人を気にすることなく自然の中でゆっくりキャンプを楽しみたいですよね。
陣幕があれば手軽にプライベート空間が確保できます。恥ずかしがり屋さんや人見知りの方、キャンプに来てまで他人とコミュニケーションを取りたくない、そんな方に陣幕は必須アイテムです。
下の記事で、目隠しにオススメな陣幕5選を厳選してご紹介しています。