現場監督が受けるパワハラの実態|担い手不足を加速させる勘違いをした人たちの権力乱用

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現場の最高責任者である現場監督。

世間から見たら、現場監督が下請業者や取引業者へパワハラを行っているイメージがあると思います。

しかし現実では、現場監督は会社や発注者、地元などから過度な圧力をかけられており、八方塞がり状態。

誰も助けてくれる者はおらず、その中で現場を運営していかなければなりません。

現場監督の担い手不足が叫ばれるなかで、パワハラが横行する現状ではますます深刻化することは間違いないでしょう。

今回は、現場監督が受けるパワハラの実態などをお話します。

目次

現場監督が受けるパワハラの実態

現場監督が受けるパワハラは、会社の上司からはもちろん、発注者や地元などの外部の人たちから受けることも。

現場の最高責任者でありながら、実は一番責められやすい弱い立場なのです。

上司からのパワハラ

今はだいぶマシになってきたと思います。

20年ほど前、私がまだ20代の頃は

  • 「辞めてしまえ!」「おまえは会社にいらない人間だ」なんて暴言を吐かれる
  • ちょっとしたミスで、石が飛んでくる、カナヅチでヘルメットの上から叩かれる
  • 飲み会の席で長々と説教をされる

こんなこと当たり前でした。今なら一発アウトです。

今はここまであからさまなパワハラは見なくなりましたが、パワハラ気質の上司は確かに存在します。

部下が傷つくような言葉を平気で口に出したり、どうでもいいような細かいことを指摘してみたり、気に入らないことがあればすぐ電話を掛けてきて怒ったりします。

しかも自分が正しいと思い込んでいるので、やっている言動がパワハラにあたるなんて微塵も感じていません。

また、パワハラ気質の上司が管理職である場合は、現場の都合なんてお構いなしに自分の都合だけを押し付けてくるのでさらにたちが悪い。

このような上司の下では、部下は萎縮し、仕事がうまく捗らず効率が悪くなる一方です。

発注者からのパワハラ

ここで言う発注者とは、国、都道府県、市町村の工事担当者のことです。

公務員が現場監督にパワハラするの?って思われる人もいるかと思いますが、実際にいます。

脅しともとれるような言葉で発注者側の仕事を押し付けたり、ちょっとしたことで現場の立会を放棄したりと様々です。

発注者のパワハラは、現場の進捗に大きくかかわり、現場監督はどんな理不尽で不合理なことでも従うほかありません。

契約書上では対等な立場でも、やはり発注者の方が上、相談できる所もなくグッと我慢している現場監督も多いでしょう。

地元関係者からのパワハラ

どこの現場に行っても、周辺住民の中には必ず1人はクレーマーと呼ばれる人物がいます。

現場としては、法律に則った上で作業しているにもかかわらず、クレーマー住民の一方的な都合で現場を止められたり、工事用車両は周辺道路を走行できなくなります。

もちろん現場監督は反論もできず、悪者扱い。

発注者としても、地元住民とのトラブルは避けたいので、地元住民からの要望やクレームをあっさりと受け入れるため、すべてのしわ寄せは現場監督にきます。

赤の他人からのパワハラ、現場監督にとって一番ツライ状況です。

現場監督に味方はいない

社内相談窓口は機能していない

2020年6月から社内にパワハラ相談窓口を設置することが義務化されました。

では、相談窓口に相談すれば解決するのか?

従業員数が1,000人を超えるような会社なら、もしかしたら社内のパワハラは解決するかもしれません。

しかし、100人程度の会社では、誰が相談したのかがバレてしまう可能性もあり、なかなか相談もできないし、相談したとしても結局、相談者本人が居心地が悪くなり退職してしまうケースが見られます。

日本人は元々、事なかれ主義であり、臭いものに蓋をする風潮があるため、相談窓口に相談してもあやふやなまま解決せずに終わってしまうことが考えられます。

発注者内部はパワハラの宝庫

国や都道府県の組織は完全な縦社会。

上の立場には絶対に逆らえない雰囲気があり、パワハラもほんと酷いもの。

だから、発注者の担当者が現場監督にパワハラをしていても、誰も気にも留めない。

年に1回ほど、発注者と受注者との意見交換会が開催されますが、毎回同じような意見が出されても、何の解決もされません。

結局、公務員は2年から3年で異動になるため、曖昧なまま問題が放置されているのです。

地元関係者からのパワハラには誰も勝てない

地元関係者からのパワハラには対抗する術がなく、発注者も会社も見て見ぬふりです。

発注者は現場を止められると困るし、会社の人間は矢面には立ちたくないしで、現場監督は1人で耐えるはめになります。

私がストレスで病気になった原因は、この地元関係者からの理不尽なパワハラでした。

パワハラを受けた時の解決策は今のところない

現場監督が受けるパワハラは、社内の上司からももちろんありますが、社外からのパワハラもあります。

社内のパワハラなら、厚生労働省委託事業「パワハラ相談室」に相談するのもありですが、社外からの場合、直接的に暴力を振るわれたとか、脅迫された場合などは警察に相談できますが、パワハラだと今のところ打つ手なしです。

パワハラが原因で精神障害などになった場合は、労災認定される場合がありますので、お近くの労働基準監督署や弁護士に相談してください。

一度、精神障害を患ったら、普通の生活が難しくなります。できることなら精神障害などになる前に、逃げ出すことをおすすめします。

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まとめ

現場監督は多方面から板挟みにされ、誰も助けてはくれず逃げることもできません。

今のところ現場監督が受けるパワハラを、根本的に解決する方法はありません。

パワハラをする人間は、自分がしている言動がパワハラにあたるとは認識しておらず、元々の性格の悪さが原因にあるので、治すことは不可能です。

また、自分が偉くなったと勘違いしている人間がほとんどで、地位や立場を利用してパワハラが行われるため、言い返すこともできません。

現場監督は、実は弱い立場なのです。

現場監督は元より、建設業全体の社会的地位の向上を図ることができれば、もしかしたら現場監督に対するパワハラは少なくなるのかもしれませんね。

そうすれば働きやすい環境になり、担い手不足も解消するかもしれません。

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<現場監督はやめたほうがいい>

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