現場は男社会!
現場と言えば、一昔前までは男だらけで現場で女性を見かける確率は「ほぼ0%」、たまに見るのはダンプや生コン車の女性運転手ぐらい。
ですが今では、ドボジョと呼ばれる女性現場監督が増えてきましたね。
最近では、20代の若い女性現場監督も見かけるようになりましたね
しかし3K(きつい・汚い・危険)である現場は、男でも辛い職場環境、これにプラスして女性特有の悩みもあり、やはり女性の現場監督は大変だと感じます。
今回は男目線から見た「女性現場監督のあれこれ」と「女性現場監督のリアル」を忖度抜きでお話したいと思います。
男目線から見た女性現場監督の大変そうなところ
トイレが男女共用の現場が多いので女性は大変そう
国交省の現場では女性専用トイレが配置されることが多くなってきていますが、県・市町村や民間工事ではまだまだ男女共用トイレです。
なので女性の現場監督は、近くの公衆トイレやコンビニのトイレを使用している人も。
トイレに行くために現場を離れないといけないので、なかなかトイレに行くタイミングがなかったりする場合は、我慢することもある感じです。
現場のトイレを使うにしても、近くに男性がいるので気を使いますし、トイレが汚くて嫌になることもあるかと思います。
汗をかいても気軽に着替えることができない
会社なら女性の更衣室がありますが、現場には更衣室なんてものはありません。
夏場の汗をかく時期、女性なら特に自分の臭いが気になるところだと思います。
ましてや仕事帰りにスーパーなどに立ち寄って買い物をするのも気が引けますよね。
化粧直し、歯磨きなどができない
土木の現場には洗面所も水道もありません。
朝、化粧をしてきても汗で落ちたり泥で汚れることがありますが、化粧直しをすることも化粧をキレイに落とすことも難しいでしょう。
また水道がないため、お昼ご飯の後に歯磨きをすることもできないので、衛生面に気をつかう女性にとっては辛いところだと思います。
力がないため現場作業がキツイ
現場監督と言えども、現場での作業は当たり前にあります。
測量で大ハンマーを振り回したり、20kgの水タンクを運んだりと、さまざまな場面で力が必要になってきます。
また土木で使う工具や道具は重たい物が多いので男性でも大変です。
このため男性に比べたら作業効率が落ち、時間がかかってしまうことも。
手荒れ、肌荒れ、髪が痛む
土木の現場は、水・泥・油・セメント・直射日光など、女性の肌の天敵がそこらじゅうにあふれています。
男でも手はカサカサでササクれ、肌は日焼けで真っ黒、作業では生傷がたえません。
ヘルメットを被れば髪は痛むし、女性には辛いところだと思います。
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現場が動き出したら気軽に休めない
女性に限ったことではありませんが、現場監督は1人~3人単位で現場を動かしていくため、ひとたび現場が動き出せば完成まで気軽に休んだりすることができなくなります。
特に現場監督は、自分の用事より現場を優先するため、家族や子どものためだったり、体調不良でもなかなか休むことができないので大変です。
機械、工具の知識、使い方を知らないとキツイ
土木の現場では、いろいろな機械、工具を使います。
まず機械や工具の名前を覚えたり、使い方をマスターしないと仕事ができません。
時には大きい車や重機を動かす場面も出てくるので、男性の力を借りないとできないことがあると思います。
女性にとっては不得意の分野なので、難しい面ですね。
また現場監督に必須の資格「一級土木施工管理技士」でも、機械などのことが出題されるので知識が必要になってきます。
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男と渡り合えるだけの体力、度胸、覚悟が必要
上司や同僚、職人、発注者など現場監督として係わる人間の中には、男でも正直参ってしまうほどのクセ者がいます。
まだまだ土木の現場は男社会なので「これだから女は」という見方をしたり、はなっからなめてくる男もいるかもしれません。
昔よりだいぶマシになったとは言え、口の悪い人、態度の悪い人などいろいろな意味で悪い人がいて、女性現場監督の言うことを聞いてくれないこともあり得ます。
こんなクセの強い男どもを相手にするには、やはり体力、度胸、覚悟が必要になってくると思います。
女性ならではのメリットもある
やさしくしてもらえる、気を使ってもらえる
先ほどクセの強い男の話をしましたが、大抵の人はそれなりにやさしいと思います。
女性の現場監督はめずらしいので、周りの男は扱いに慣れてなく必要以上にやさしくしてくれたり、気を使ってくれたりします。
重い物を持とうとしているときは手伝ってくれたり、暑い時や寒い時などは「休んでていいよ」とやさしく声をかけてくれたりします。
男と比べてキツく言われることも少ないでしょう。
みんなが協力的、ミスをカバーしてくれる
現場を運営していく上で周囲の協力は欠かせないものです。
女性特有の物腰の柔らかさがあれば、現場の周辺住民や発注者も率先して協力してくれることでしょう。
また段取りミスや準備不足などにたいしても「しょうがねえなあ、手伝ってやるよ」みたいな感じで同僚や職人は責めることなく協力してくれます。
いっしょに現場をする男の率直な意見
やっぱり気を使う
何度も言うように、土木の現場はまだまだ男社会。
私を含め多くの男性現場監督は女性の現場監督の扱いになれていません。
サバサバしたベテランの女性現場監督ならともかく、自分より若い女性となればやっぱり必要以上に気を使ってしまいます。
女性に対しても気を使いますが、自分自身の言葉遣いや態度、清潔感にも気を配らないといけないので、朝から夕方までいっしょに仕事をするとなると気疲れしてしまいます。
女性ができないことをカバーしなくちゃいけない
男の部下ならちょっとキツい仕事でも「あれやっとけよ」で済みますが、女性の部下ならそうもいきません。
いっしょにするか、自分がするかのどちらかになり、抱える仕事が増えるのは確かです。
また既婚女性の場合だと、子どもの行事などでたびたび休みを取られると困ることも。
例えば現場を自分と女性部下の2人で運営する場合、写真撮影や測量など2人いないとできない仕事がある時に休まれると、応援を呼んだり翌日に持ち越したりしないといけません。
応援に来た人は現場を把握していないので、1から説明したり自分が動き回って準備したりと手間と時間が余計にかかります。
女性現場監督のリアル
お食事、お酒のお誘いが多い(多かった)
現場監督に限らず現場には滅多に女性がいないためか、上司や職人からお食事やお酒のお誘いが頻繁にあるそうです。
気の合う同僚たちと和気あいあいとお酒を飲むのはいいけれど、上司や職人さんからの個人的なお誘いには気をつけて。
責任のある仕事だから女性と言えども残業、休日出勤は当たり前
ある程度仕事ができるようになり現場を任されるようになれば、よほどの事情がない限り自分や家庭のことは後回し。
残業で帰れない時や休日出勤の時は家族に甘えっぱなしになります。
一番ツライのはトイレ
現場のトイレは男女共用は当たり前です。
近くにコンビニや公衆トイレがあれば、そこまで行くそうです。
給料は男性と同じ
一級土木施工管理技士の資格を持ち、現場代理人や主任技術者を担当するため、技術者としての給料は男性と同じです。
普通の事務員さんたちと比べても多い給料はもらえるはずです。
まとめ
女性の現場監督が増えたとは言え、まだまだ女性には厳しい労働環境であることは間違いありません。
しかし年々少しずつですが改善の方向に向かっているのではないでしょうか。
建設業にもっと女性が進出してくれば、女性だけではなく男性にとっても働きやすい環境になることは確実です。
女性が増えて、建設業のイメージアップ、さらには理不尽な労働環境が良くなることを期待したいですね。
<土木工事の現場監督の仕事とは>