土木工事の現場監督ってどんな仕事?現役の現場監督が詳しく解説します

ぼち楽

こんにちは!現場監督歴20年以上の「こう」です!

土木の現場監督って

  • 威張ってるイメージがあるけど、仕事は何してるの?
  • 恐そう、イカツイ、短気のイメージがある

こんな感じのイメージがありませんか?

でも、実際どんな仕事なのか気になりますよね。

今回は、私が20年以上勤めている「地方の建設会社」を参考に、「土木工事の現場監督の仕事内容」について、詳しく解説していきます。

これから現場監督になる方にも、参考になりますのでご覧ください。

目次

そもそも現場監督ってなに?

現場監督は工事現場を初めから終わりまで「総括的に管理」する仕事です。

世間一般では、「現場監督」で通じますが、正式には「現場代理人」「監理(主任)技術者」という法律上の役職があります。

現場代理人とは、簡単に言えば社長代理です。会社に代わって契約事務を行える権限をもっています。

監理(主任)技術者とは、その名の通り技術者です。国家資格がないとなれません。

法律上は、現場代理人と監理(主任)技術者の職務内容は分かれていますが、実際の現場では明確な分担はありません。

2、3人で1つの現場を運営していく感じです。

現場代理人、監理(主任)技術者、見習いまで、すべて現場監督と呼ばれます。

土木工事ってどんな種類があるの?

土木工事の種類は

  • 道路工事
  • 橋梁工事
  • ダム、トンネル工事
  • 河川海岸工事
  • 上下水道工事
  • 土地区画整理工事
  • 空港、港湾工事
  • 災害復旧 など

細かく分ければもっと多くの種類の工事があり、会社ごとで得意とする工事、専門とする工事があります。

土木工事は国、県、市町村が発注する公共工事がメインとなります。

現場監督の仕事内容は?

現場監督の仕事内容は、発注者との打合せや関係機関との調整・手続き、専門工事業者(職人)への発注、材料の手配など多岐にわたります。

それでは現場監督の仕事内容を、工事の受注から完成まで順を追って見てみましょう。

工事の受注

工事は、国や各都道府県、市町村などが発注して、建設会社が入札、落札して受注します。

受注までの段階では、現場監督は直接関与しませんが、工事に入札するさいに、「配置予定技術者」を届け出る必要があります。

配置予定技術者は、工事の種類、規模などにより必要となる資格、経歴が定められています。

なので、現場監督だからといって全ての工事を責任者として担当できるわけではありません。

配置予定技術者:配置予定技術者とは、「監理技術者」「主任技術者」を指します。監理技術者は、受注した工事の一部(4,000万円以上)を下請けに出して施工する場合に必要となり、「1級土木施工管理技士」の資格者でかつ「監理技術者講習」を修了している人がなれます。下請けに出す金額が4,000万円未満の場合は主任技術者となり、1級又は2級土木施工管理技士、10年以上の実務経験がある人がなれます。

配置予定技術者の経歴:発注される工事には、「配置予定技術者の経歴」が必要となる場合がほとんどで、発注される工事の種類と同等の実績が必要になります。

出典:施工体制Q&Aより

受注した工事内容の確認

会社が工事を受注したら、契約関係書類(契約書・図面・数量表など)が現場監督に渡されます。

現場監督は、契約関係書類をチェックすると共に、現地と図面が合っているかなどのチェックを行います。

たまに、邪魔になる電柱や、工事に必要な用地が確保されていないなどの問題点がありますので、現場を十分にチェックする必要があります。

関係各所との打合せ

発注者との打合せ

発注者(国、都道府県、市町村の担当者)と現場の進め方や問題点などの打合せを行います。

また、対面での打合せだけではなく、発注者が定めた書類の提出も含まれます。

打合せに使用する図面、写真などの資料は、原則、現場監督が作成します。

関係官公庁への届出

現場監督は、作業の方法などを十分に吟味した上で、関係する官公庁へ届出をします。

主に届出が必要な官公庁

  • 国土交通省
  • 都道府県
  • 市町村
  • 警察署
  • 消防署
  • 労働基準監督署

例えば、道路上で作業を行う場合には、国道なら国土交通省、県道なら県、市道なら市に対して届出をする必要があります。

また、道路工事をする地域を管轄する警察署にも、申請書などを提出しなければいけません。

労働基準監督署については、法律で定められたある一定の行為(足場の組立や掘削など)を行う場合には、前もって届出が必要です。

地元関係との協議

本来、地元関係との協議は発注者の業務ですが、現場監督が行う場合がほとんどです。

工事を受注して、ある程度、工事の進め方などの方針が決まったら、工事現場周辺の自治会長との協議を行い、工事への理解を求めます。

地元住民に対して一番問題になることは、重機や大型車の振動や騒音、道路の汚れなどです。

計画段階でしっかりと対策をしないと、大きなトラブルの原因となり、現場がストップすることもありますので注意しましょう。

地元関係としては他にも、「漁業協同組合」や「野鳥の会」なども関係してくる場合があります。

隣接する他工事との調整

国土交通省や県などが発注する大きな事業では、隣に別の工事があります。

このような場合、工事車両の出入口や道路が共用であることが多く、工事車両の運行や資材の搬入などに工事間の調整が必要になります。

書類の作成

先ほどお話した「関係各所との打合せ」に使用する資料や届出書はもちろん、日々の記録や図面の作成など、ここでは書ききれないほどの書類があり、現場監督の仕事の6割~7割は書類作成と言っても過言ではありません。

現場監督が作成する主な書類

  • 施工計画書
  • 施工体制台帳
  • 安全巡視日報
  • 工事週報
  • 履行報告書
  • 品質管理書類
  • 出来形管理書類
  • 材料管理書類
  • 安全管理書類
  • 写真台帳
  • 打合せ資料
  • 届出書類
  • 図面
  • 測量計算書
  • 社内書類
  • 予算書、原価報告書 など

現場監督は、日々たくさんの書類をこなしていかなくてはなりません。

書類によっては、提出するタイミングが決められている場合もあり、前もって書類を準備しておく必要があります。

測量・丁張り

現場での測量や丁張りの設置も現場監督の仕事です。

現場で作る構造物などは、位置(座標)や高さ(標高)が決まっており、その精度も共通仕様書で規定されています。日々の作業の中で測量をして、決められた範囲内に収める必要があります。

機械、材料、労務の手配

現場をする上で、どんなものを、どのくらい、どのタイミングで投入するかは、現場監督の腕の見せどころです。

土木の工事現場は、天候に大きく左右されるので、事前にしっかりと状況を把握して、「必要なものを必要なだけ、ピンポイントで段取りできるか」で工事の進捗に差がでてきます。

この段取りが「うまくいくか、いかないか」は、経験によるところが大きいです。

もっと言えば、先を見通せる力が必要な部分でもあります。

ギリギリまで見極めるのも一つの手法ですが、行き当たりばったりではけしてうまくいきません。

また、下請けの施工業者の手配も現場監督の仕事です。

まず、該当する工種の施工業者から見積もりを取り、選定をしていきますが、安いだけで選ぶと大変なことになる可能性があります。

少しぐらい高い値段でも、しっかりした施工業者を選定することで、結果的に安く早く安全で品質が良いものが出来上がります。

施工管理

現場監督と似た言葉で「施工管理者」というものがありますが、施工管理は現場監督の仕事の一部です。

施工管理とは、「品質管理」「安全管理」「工程管理」「原価管理」の4大管理のことを指します。

品質管理

品質管理にはさらに分類があります。

  • 品質管理
  • 出来形管理
  • 写真管理

品質管理とは:品質管理は、主に出来上がった構造物や製品などが、決められた品質(強度、性能など)を満足しているかを試験などによって確認し、書類や写真で証明することです。

出来形管理とは:出来形管理は、主に出来上がった構造物や製品の寸法が、決められた規格値内に収まっているかなど、実際にメジャーなどで測定して管理図表や図面として記録することです。

写真管理とは:写真管理は、施工中の状況写真や各段階における「品質管理」「出来形管理」「安全管理」などの決められた写真の撮影を行い、写真台帳にまとめることです。

安全管理

安全管理は、現場監督の仕事の中で最も重要な部分です。

日々の作業の安全指示や、現場の点検、巡視を行い記録に残します。

また、現場の設備や掲示板などの整備も現場監督の仕事です。

安全管理には、衛生管理も含まれ、事務所や休憩所、トイレの清掃や消耗品の補充、作業員の健康チェックなど細かな部分も現場監督が行います。

工程管理

工程管理は、工事全体のスケジュールを調整して、決められた工期内に工事を完成させることです。

現場監督は、日々の進捗状況を把握して、週間工程表や月間工程表を作成し、遅れが発生しないように管理します。

原価管理

原価とは、材料や機械、人件費など工事に必要な費用のことをいいます。

現場監督は、あらかじめ予算書を作成し、「受注代金-工事原価=利益」を算出して、目標の利益率を確保できるように工事原価を管理していきます。

日々、予算書を確認しながら、材料の注文や機械の段取り、労務の人数を管理して、予算内に収まるように調整します。

現場監督の1日

ここでは、私のとある1日のスケジュールを見てみましょう。

日程仕事内容
6:00天気の確認
6:55出 発
7:20現場事務所に到着・雑務
8:00朝礼・KY
8:15~10:00施工管理
10:00現場巡視
10:15~12:00書 類
12:00~13:00昼休憩(天気の確認)
13:00翌日の打合せ
13:15~15:00翌日以降の段取り・書類
15:00現場巡視
15:15~17:00書 類
17:00現場の安全確認・打合せ
17:15~17:30日報作成
17:30終 業
18:00帰 宅

土木工事に携わる人は朝が早いです。

現場監督も職人も、7時30分には現場に到着します。

私は、自宅から直行直帰ですが、一旦会社に寄らなくてはいけない会社もあり、その場合はもう少し早く出発する必要があります。

働き方改革のおかげもあって、ここ最近はほとんど残業はありません。

10年前なんかは、終業時刻が20時とか当たり前の時代でした。

通常、昼休憩はきちんと1時間あります。

現場監督Q&A

休日はちゃんとありますか?

土日休みの会社も増えてますが、現場監督は、一度現場が動き出すと、日曜日ぐらいしか休めません。その代わり、お盆休み、正月休み、GW休暇は、現場監督の段取り次第で長期休暇にすることも可能です。

残業時間は多いですか?

通常の現場であれば、毎日30分程度の残業ぐらいです。しかし、日中に業務を詰めて行わないと、残業するはめになります。これも現場監督次第です。

現場監督になるメリットは?

自分の段取りで時間を作り出すことができ、空いた時間でちょっとした私用などをすることができます。

現場監督のデメリットは?

台風や大雪など、悪天候が予想される場合は、休日や夜間でもゆっくり休めません。また、現場で起きたトラブルはすべて現場監督が責任をとらなくてはなりません。

現場監督の年収相場は?

統計では、会社の規模によって変わりますが、平均年齢44才で平均年収450万前後です。

大手のゼネコンとなると、平均年収は650万前後となります。

現場監督になるには

現場監督になるには、高校や専門学校、大学の工学科などを卒業して、建設会社に入社する方法が一般的です。

地方の建設会社であれば、高校を卒業すれば入ることが可能です。

大手のゼネコンの場合は、大学の専門学科を卒業したほうが入りやすいと言えるでしょう。

建設会社に入社したら、まずは現場監督見習いからスタートします。

数年間の実務経験を経て、2級土木施工管理技士の資格を取得したあと、1級土木施工管理技士を取得します。

1級土木施工管理技士を取得してから数年間は、経歴を積み上げ、ようやく現場のプロフェッショナルである「監理技術者」になれます。

早い人で入社して10年ぐらいで監理技術者になれるでしょう。

現場監督が取得したほうが良い資格

現場監督の必須資格

一人前の現場監督になるためには、「1級土木施工管理技士」の資格が必須です。

<1級土木施工管理技士の独学方法はこちら>

あったら役に立つ資格

現場監督でも、持っていれば役に立つ作業系の資格は

  • 足場組立て等作業主任者
  • 型枠支保工組立て等作業主任者
  • 地山掘削、土止め支保工作業主任者
  • 車両系建設機械技能講習
  • 小型移動式クレーン技能講習
  • 玉掛け技能講習
  • フルハーネス型墜落抑制器具特別教育

作業主任者系の資格

「作業主任者系の資格」は、ある一定規模の作業を行う場合に必要で、通常は下請け業者の中から専任しますが、元請けの現場監督も持っておいたほうが良い資格です。

車両系建設機械

「車両系建設機械技能講習」は、重量3t以上のバックホウなどの重機を操縦する際に必要になります。

3t未満の場合は、「小型車両系建設機械特別教育」となりますが、3t未満の重機は、ほとんど乗る機会はないでしょう。

小型移動式クレーン

「小型移動式クレーン技能講習」は、クレーン付トラック(通称ユニック車)のクレーン装置を操縦する場合に必要になります。

吊上げ荷重5t未満までのクレーン装置を操縦できます。

玉掛け

「玉掛け技能講習」は、クレーンで資材を吊上げる際の、ワイヤーを掛ける、外す作業の資格です。

玉掛け技能講習は、クレーンの吊上げ能力1t以上の場合に必要で、「玉掛け特別教育」はクレーンの吊上げ能力1t未満までとなります。

土木工事では、吊上げ能力1t未満のクレーンは使いませんので、「玉掛け技能講習」が必要となります。

フルハーネス

「フルハーネス型墜落抑制器具特別教育」は、高さ5m以上の場所で、墜落の恐れがある作業を行う場合に、フルハーネス型墜落抑制器具の着用が義務付けられます。(2022年1月2日より施行)

これにより、フルハーネスを着用する作業では、「フルハーネス型墜落抑制器具特別教育」が必要となります。

まとめ

現場監督の仕事は多岐に渡ります。

ここに書いていない業務もまだまだたくさんあり、大変な仕事です。

現場監督は、予算から人員の配置、機械や材料の手配、図面や書類など、さまざまな角度から現場を見る必要があり、1人前になると「経営者と技術者」両方のスキルが身につく仕事です。

入社して10年もすれば、驚くほど成長することでしょう。

この記事がこれから現場監督を目指す方の力になれば幸いです。

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