各官公庁が熱中症対策の一環として「WBGTを測定して熱中症を予防しよう!」なんて啓発活動を行っているけど、実際のところ土木の現場では意味がないと思いませんか?
夏なんだし「暑いものは暑い!」WBGT値を知ってどうなるものでもないし、連日危険度MAXは当たり前。
なのに「WBGT値を測定していますか?」「WBGT値を測定しないと対策として不十分ですよ」って何言ってんの。
う~ん。バカの一つ覚えか?
まあ、お役所さんに何を言ってもムダだから、WBGT値測定器は一応現場に置いてはいるけれど「朝からピーッ、ピーッ」ってうるさいだけなんだよね。
だからどの現場も電源切ってる
今回は「結局、熱中症対策って何をすればいいの?」のお話をしていきますね。
とりあえずWBGT値測定器は置いとけ
WBGT値を熱中症対策に活かせるのは、環境をコントロールできる場合のみです。
例えば
- 事務所の中
- 建築現場
- 車の中
- 工場の中
簡単に言えば、仕切られた空間で、エアコンや送風機などの設備が使えて、空間全体の環境をコントロールできるとき。
土木では、こんな好条件の現場なんて滅多に、いや100%ないでしょう。
土木の現場でWBGT値が意味がないことは分かってますが、労働基準監督署の臨検などで是正指示を切られるので、形だけでも測定器は置いておきましょう。
WBGT値測定器があるだけでOK!単純ですね!
<小さい手のひらサイズ、単管や手すりに簡単取り付け>
WBGT値が「危険」を指しても、現場は止められないし、作業員さんたちも休めない。
その辺をちゃんと分かってから言って欲しいですよね。
ほんとうに実のある熱中症対策
じゃあ作業員さんのために、どんな熱中症対策があるかご紹介しますね。
休憩所にエアコンを設置する
まずは休憩所を設置する際のポイントですが、ユニットハウスの場合では2連棟以上で、なるべく現場の近くが好ましいです。
作業員さんは「狭くて離れた休憩所」は利用しない
現場のすぐ近くに休憩所が置けない場合は、簡易テントで日陰を作ってあげましょう。
<お庭BBQでも使えるおしゃれな簡易テント>
エアコンを作動させるためには電力が必要ですが、発電機の場合は燃料が多く入る「ビッグタンク」を搭載したものが〇。
なぜかと言うと、冷房でも暖房でもエアコンを付けてすぐには効かないから。
夏場であれば、朝から夕方まで付けっぱなしになりますので、タンク容量が大きいほうが給油の手間が省けます。
工期が1年以上あるような長い現場なら、電柱から仮設電力を引っ張ってくるのもありですね。
<エアコンの設置が難しい場合はスポットクーラーがおすすめ>
冷蔵庫よりウォーターサーバー
現場環境改善費や創意工夫で冷蔵庫を置いている現場をよく見かけますが、実際のところ冷蔵庫はほとんど使用しません。
休憩所の電源が発電機の場合、現場が終わって帰るときは発電機を切ってしまうので、朝に発電機を回しても冷蔵庫はなかなか冷えません。
冷蔵庫を置くぐらいなら、ウォーターサーバーの方が便利です。
ウォーターサーバーなら電気を入れて20分ほどで、冷たい水、熱いお湯がでますので、休憩時間の水分補給や昼休憩にカップラーメンを作って食べることが簡単にできます。
9年連続「お客様満足度No.1」ウォーターサーバーの老舗「クリクラ」水分だけじゃダメ!塩分補給の準備を
汗といっしょに体の外に排出される塩分。
人間の体は、水分だけでは体内に吸収されませんので、塩分の補給も不可欠です。
朝礼をする場所や、作業員さんが休憩する場所には、必ず塩飴など塩分が補給できるものを準備しておきましょう。
<塩分補給についての詳しい記事はこちら>
だいぶ普及してきた空調服を活用
外仕事で風があればまだマシですが、夏場の日中は風が吹かないことが多いです。
そこで役に立つのが「空調服」
強力なバッテリーとファンで、服の中に風を送り込み、体を冷やしてくれます。
いまや夏の必需品と言えるでしょう。
現在では、デザインもかっこよくなり、バッテリーやファンの機能も向上しています。
私もこの夏にやっと購入しました
<一番人気!バートルの空調服>
冷却スプレーは○、冷感スプレーは×
冷却スプレーと冷感スプレーは言葉は似ていても、中身は全然違います。
- 冷却スプレーは冷たいスプレー
- 冷感スプレーは冷たく感じるスプレー
冷却スプレーは冷たいスプレーで、瞬時に体やタオルなどを冷やすことができますが、冷感スプレーはメントールなどの成分で冷たく感じるだけ。
冷感スプレーの場合は、人によっては熱く感じることがあり、逆効果になることも。
使用するなら清涼感の成分が入っていない「冷却スプレー」をおすすめします。
休憩時間に首筋や頭にスプレーすれば、一瞬でリフレッシュできます。
<冷却スプレー 大容量500mlの15本セット>
やっぱりこまめな休憩が大切
本当に暑い日は、1時間に10分、いや30分に10分ぐらい休憩をとってもいい。
10時と15時には30分きっちり休憩して、16時30分には上がっても問題ありません。
要は翌日に疲れを残さないことが大切なんです。
日中は無理をせず、早めに帰宅してお風呂で汗を流し、ゆっくりと栄養のある食事をとる。そしてアルコールは控えめにして、ぐっすり眠る。
結局、人間らしい生活が一番熱中症の予防になるのです。
熱中症の症状が見られたら
頭痛や体のダルさなど軽度の症状が出た場合は、無理をせずすぐに休憩に入り、水分や塩分の補給、頭や首筋などの冷却をするなどの処置を行うことが大切です。
体を休めても症状が改善しない、または症状が悪くなるときは早めに病院を受診して、ゆっくり休養をとってください。
症状が改善しても、その日は早めに帰宅し、様子を見ながら安静に過ごすことが重要で、家に帰ってから症状が悪化して死に至るケースもあるので要注意です。
現場で意識障害など重度の症状が見られた場合には、迷わず救急車を要請し救急車が到着するまでの間、応急処置を行いましょう。この時、無理に自宅へ帰したりすると、取り返しのつかないことになります。
まとめ
土木の現場にWBGT値ほどムダな指標はありません。
工事成績のためや、官公庁に文句を言われないためだけの見せかけの熱中症対策ではなく、ほんとうに必要なのは、現場で働くみんながちゃんと使ってくれる設備だったり、水分や塩分の確保なんです。
炎天下の中、外で働いているわけですから熱中症のリスクがあるのは当たり前です。
発注者や業界がこのあたりを認識して、土木工事において、WBGT値がちゃんと活用され、無理なく働ける労働環境になることを期待して頑張りましょう。
<そろそろ現場でもサングラスをかけませんか?>