【15kgで薪2束分】薪の代わりにオガライトを使って分かったデメリット徹底解説

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知らないと失敗するオガライト

薪ストーブや焚き火をする人なら一度は

「薪の代わりに火持ちが良くてコスパのいい燃料ないかな?」

と考えますよね。

そこでたどり着くのがオガライト。

YouTubeやネット上のキャンパーさんはこぞってオガライトを称賛していますが、デメリットを伝えている人は少なく、実際、気になるところですよね。

実は、オガライトのメリットばかり信じ、ぶつけ本番でキャンプをすると思わぬ落とし穴に遭遇することになりかねません。

こう

ぼくは小学生の時からキャンプをはじめて30年以上。今ではBBQから焚き火、薪ストーブを庭キャンパーとして楽しんでいます。

今回この記事では、薪ストーブで使ったみたオガライトのレビューからデメリットまでを徹底解説し、最後の方で安くorタダで薪材を入手する方法をご紹介します。

この記事を読めば、キャンプにオガライトを持って行って「失敗した!」がなくなります。

結論を先に言っちゃえば確かに「オガライト」は薪の代わりになります。ですが、好んでオガライトを選ぶ理由はありません。

目次

そもそもオガライトとは?

オガライトとは?

粉状の木質材料(オガ粉)を加熱、加圧して成型したもの。

出典:一般社団法人 全国燃料協会

材木を加工するときに出るノコクズや廃材のチップ(破砕して細かくしたもの)を「ギュッ」と固めた人工燃料です。

燃えやすいように中心に穴が空いています。

もともとはお風呂を焚くときの燃料として使われていましたが、現在ではキャンプなどで薪の代用に使われています。

オガライトのサイズ

四角と八角形の形状があり、長さ45cm前後、直径約5cmです。

15kgで13本入っていたので、1本あたりの重さは約1.15kg。

オガライトはどこで売ってる?

ホームセンターの資材コーナーに置いてあることも。ですが、最近は需要がなく取り扱っていないお店もあります。

こう

ちなみにぼくが購入した地元のホームセンターでは、資材コーナーの隅っこに、七輪や練炭といっしょに置いてありました。

ぼくが行ったホームセンターでは15kg入りが1,320円(税込)でした。Amazonなどでは13~15kg入り2,000円~3,000円で売っています。

オガライトの梱包状態
ホームセンターに置いてある15kg入り。包装紙にオガライトの印字がなくわかりにくい。

ちなみに梱包サイズは計ってないですが、長さ45cm×幅25cm×高さ15cmぐらいです。

薪ストーブでオガライトを本音でレビュー

実際に薪ストーブでオガライトを使ってみましょう。

オガライトの取扱説明書を読んでみよう!

オガライトの取説があったので読んでみました。

基本、屋外での使用です。

なぜなら一酸化炭素が発生するから。薪や炭も同じですが、閉め切ったテントや部屋の中で使う場合には相当な注意が必要です。

こう

一酸化炭素は無臭なので、充満していてもわかりません。気が付いたら体が動かなくなっています。
経験済みなのでよくわかります。気をつけましょう!

焚き始めには炎・煙・ススが発生すると書いてありますね。

どの程度出るのか実際に使ってみましょう。

あと気になったことは、梱包材を開いたとき「においます」

オガライト焚き付け編「正直、火はつきにくい」

薪と同じように焚き付けしていきます。

薪ストーブの上手な火のつけ方はこちらの記事を参考にしてください。
参考記事:【着火剤なしでも簡単】煙が出ない薪ストーブの火のつけ方【5つのポイント】

丸めた新聞紙を底に敷いて、細かく割った薪を上に載せます。そして、ガストーチで一気に着火。

焚き付けは着火剤よりガストーチが手っ取り早い
焚き付けは着火剤よりガストーチが手っ取り早い
こう

このあと中薪、太薪の順番で投入していけば、ふつうの薪なら煙も少なく一発で火がつきますが・・・

焚き付け用の細薪全体に火が回ったら、半分に折ったオガライトを投入します。

オガライトの端を持ち、オガライト同士や石などの固いものに叩きつければカンタンに割れます。

オガライトは道具がなくてもカンタンに折れる
オガライトは道具がなくてもカンタンに折れる

手始めにオガライト2本分を投入。

半分に折ったオガライトでも重たいです。

こう

ふつうの火バサミでは重たくて落ちてしまいます。安い物でいいので、しっかりとした薪バサミが必要ですね。

それに表面がツルツルなので滑ってしまい立体的に積み上げるのが難しいです。

なんとか燃えやすいように積み上げましたが、薪のように火がつきません。

オガクズをギュッと固めたものなので密度が高く、広葉樹の薪のように火がつきにくいかもです。

オガライトの表面はツルツルでしかも重たい。滑るので立体的に積み上げるのが難しい
オガライトの表面はツルツルでしかも重たい。滑るので立体的に積み上げるのが難しい

このままだと消えてしまいそうなので再度組み直しして、ガストーチで燃焼補助をしました。

最初に火をつけてからここまでで約10分経過です。

こう

ふつうの薪なら完全に火がついている時間ですが、オガライトは難しいですね。

積み直しをしてガストーチで補助。ようやく火が回りだした
積み直しをしてガストーチで補助。ようやく火が回りだした

オガライトに火をつけるためには、火力と時間が必要なことがわかりました。

煙やススの量はどれくらい?「多めです」

開始15分経過。

全体に火が回ったので蓋を閉めます。

すると、ガラス窓にススが付着し始めました。

ガラス窓にススがつく
ガラス窓にススがつく

煙突から出る煙を見てみましょう。

薪なら開始5分ほどで透明になっているはずなんですが、オガライトは15分が経過しても煙が出ています。

画像ではわかりにくけど、けっこう出ている印象です。

オガライトは煙が多い
こう

YouTubeやほかのブログでは煙が少ないと言われていましたが、そんなことはありませんね。

煙は多いですが、焚き火特有の「焦げ酸っぱい臭い」はあまり気になりません。

火力と燃焼時間は?「燃焼30分、熾火30分」

火をつけてから20分ほど経過。

さすがスギやヒノキ、マツなどの針葉樹が原材料なだけあって、いったん燃焼し始めたら勢いよく燃えます。

こう

熱量もハンパないです。

いったん火がつけば勢いよく燃えるオガライト
いったん火がつけば勢いよく燃えるオガライト

勢いよく炎を上げだして10分が経過する頃には、火の勢いが落ちてきました。

オガライトに火がついてから熾火になるまで30分ぐらい。時間は燃やし方にもよりますが、直径5~7cmの広葉樹の薪と同程度です。

オガライトは30分で熾火になった
オガライトは30分で熾火になった

熾火の状態からほぼ灰になるまでは1~2時間ぐらいだと思いますが、熾火を熱源として使えるのは30分ぐらいですね。

こう

ここからさらに実験を続けていきます。

寒い時期のキャンプを想定して、就寝時間の21時まで燃焼を維持していきます。ちなみに実験を始めたのは14時からです。

さすが薪ストーブ。

炉内が暖まっているおかげで、追加のオガライトはなんなく火がつきます。

オガライトを1本ずつくべていきます

オガライトが燃焼している時間は30分ほどなので、30分に1本ペースの投入です。

結局、21時までの7時間に15kg(13本)を使い切りました。

これで実験終了です。

つぎの章からはオガライトを実際に使ってわかったデメリットやメリットをまとめていきます。

使ってわかったオガライトのデメリットってなに?

オガライトには主につぎの5つのデメリットがあります。

オガライトのデメリット
  • 重たいくて滑るので組みにくい
  • 最初の着火が困難
  • 薪と比べて煙・ススが多い
  • コスパがいいとは言えない
  • 水に濡れたらもう使えない

それでは深掘りして解説します。

重たくて滑るので組みにくい

レビューでも言いましたが、オガライトは重たいです。しかも表面はツルツルです。

なので、斜めにオガライトを組もうとしてもツルっと滑って思うように組めません。

焚き火ならまだしも薪ストーブの狭い炉内ではやりにくいです。

最初の着火が困難

オガライトは火付きがいいと言われていますが、実際はなかなか火がつきません。

なぜなら、オガライトは密度が高い上に、縦に細くできないから。

着火剤だけで挑もうとしても失敗に終わる可能性もあります。

なので、最初の焚き付けは薪かガストーチを使うほうが無難です。

薪と比べて煙・ススが多い

オガライトは煙やススが多いです。

熾火の状態になると煙は見えなくなりますが、新しいオガライトを投入するとまた煙が出ます。

コスパがいいとは言えない

オガライトはコスパがいいと言われています。しかし、そんなことはありません。

なぜなら、価格が上がっているから。

ひと昔前なら今の半値ぐらいで買えたオガライト。市販されている薪と比べても1kgあたりの値段は変わません。

たとえば、ぼくの近所のホームセンターに売っている薪とオガライトを比べると

比 較オガライト
価 格約700円約1,300円
1束の重量約8kg15kg
キロ単価87.5円86.7円
1束の燃焼時間3~4時間約7時間

ざっくり言うと、オガライト1束で薪2束分。

なので、たいしてコスパは変わりません。

水に濡れたらもう使えない

オガライトは水に濡れるともうダメです。

木のクズを圧縮しているだけなので、水に濡れるとふやけたダンボールみたいにボロボロになります。

なので、フタつきのコンテナやテントの中で保管する必要があります。

オガライトのメリットってあるの?

オガライトを使うメリットを絞りだしてみました。

それが次の3つ。

オガライトのメリット
  • 爆ぜない、火の粉が出にくい
  • 虫がつかない
  • 長期保管が可能

ちょっとだけ解説します。

爆ぜない、火の粉が出にくい

オガライトは爆ぜることがなく、火の粉も飛びにくいです。

なので、テントやチェアに穴が空く心配が減ります。

ただ、薪ストーブで使う場合はあまり関係がないメリットですし、焚き火の場合でも「パチッパチッ」と燃える音がしない分、風情がないとも言えます。

虫がつかない

加熱して圧縮しているオガライトの中に虫が潜んでいることはありません。

それに天然木ではないので、虫が穴を空けて巣を作ったり、卵を産み付ける可能性も低いです。

なので、虫嫌いの方にはいいかもしれません。

長期保管が可能

万が一の災害用に長期保管が可能です。

ただ、室内や倉庫内に保管することが絶対条件ですが。

オガライトはBBQや焚き火料理には不向き

肉も鉄板もススで真っ黒になる
肉も鉄板もススで真っ黒になる

オガライトでBBQや焚き火料理をできなくもないです。が、オガライトでBBQや料理をする場合には、完全に熾火(炭火みたいな)にする必要があります。

なぜなら、燃えている状態だとススで真っ黒になるから。

たとえば、直火で肉なんか焼いたらススを食べているようなもの。焚き火料理で鉄板を使うにしても、鉄板の底が真っ黒になります。後の片付けがめちゃくちゃ大変になります。

レビューで解説したとおり、燃焼30分、熾火30分です。

熾火になるまでに最低30分はかかりますし、焚き付けの時間を合わせると45分~1時間ぐらいかかります。

しかも熾火として料理するだけの火力が保てるのは約30分。

炭と違って熾火の状態は長く続かない
炭と違って熾火の状態は長く続かない

火力が落ちてきてオガライトを追加したらまたススだらけになるので、BBQや料理を中断しなくてはいけません。

こう

めちゃくちゃ不便です。

はっきり言って、素直に炭や薪を使ったほうが賢いです。

キャンプで使う薪は建設現場からもらう

建設現場は薪の宝庫です。

材木を切った端っこなどはお金を出して処分するため、貰ってくれる方がいればありがたい限りです。

建設現場で使う材木は乾燥しているから火付きがめっちゃいい。しかも割りやすいので焚き付け用の細薪にするのにも適しています。

ただ、建設現場で使う材木は、スギやヒノキなどの針葉樹がメインです。

こう

まっ、キャンプの焚き火や薪ストーブで使うなら針葉樹で十分ですよね。

近くの建設会社や建設現場などに問い合わせてみましょう。

きっとタダで分けてもらえるはずです。

【まとめ】素直に薪を選ぼう!

ここまで解説したとおり、確かに「オガライト」は薪の代わりになります。ですが、好んでオガライトを選ぶ理由はありません。

オガライトはコスパ的にも薪と変わらず、ほかの人が言うほど燃焼時間が長いわけでもありません。それに煙やススが多く、キャンプ料理には適さない面もあり、デメリットが勝るとも言えます。

とくに焚き火や薪ストーブ初心者さんは、焚き付けの段階でつまずく恐れがあるのでオススメできません。

一度使ってみてもいいかもしれませんが、「どうしようかな?」と迷うぐらいなら薪を選んだ方が得策です。

もし使ってみるなら、薪も用意して併用しましょう。

知らないと失敗するオガライト

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