「土木系現場監督から公務員への道」転職方法やメリット・デメリットを徹底解説

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現場監督から公務員への転職は、求人数もそこそこあり人気の高い転職先のひとつです。

ですが、一歩間違えると地獄を見る可能性もあります。

土木系の現場監督から公務員に転職を考えている方は、この記事を読んで公務員のメリット・デメリットを理解し、「失敗した!」ってことがないようにしましょう。

この記事でわかること
  • 土木現場監督から転職できる公務員の種類
  • 公務員のメリット・デメリット
  • 転職までに欲しいスキルや資格
  • 現場監督からの転職方法
  • 公務員を目指すなら登録しておきたい転職サイト
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実際に現場監督から公務員系に転職したぼくが解説していきます。

目次

土木系現場監督から転職できる公務員の種類

土木系現場監督から転職できる公務員は主につぎの2種類です。

転職できる公務員の種類
  • 国・都道府県・市町村の土木職
  • 職業訓練指導員

国・都道府県・市町村の土木職

公務員の土木職とは、専門知識を持った地方自治体の技術系職員のこと。

主な業務は公共インフラの整備の計画、発注、維持管理です。

イメージしやすいのは発注者の監督員だったり土木技師ですよね。会計年度任用職員の現場補助員もあります。

勤務先は都道府県の場合なら〇〇整備局や〇〇土木事務所の中の道路都市課、維持管理課など、市町村の場合なら市町村役場内の建設課などになります。

職業訓練指導員

土木系現場監督の経歴から転職できる公務員として、職業訓練指導員があります。

職業訓練指導員が活躍できる場としては主に3つ。

  • 国が運営するポリテクセンターなどの指導員
  • 都道府県が運営する職業能力開発校などの指導員
  • 刑務所などの施設の作業専門官
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この職業訓練指導員は「ちょーレア」なお仕事。

職業訓練校の存在は知っていても、現場監督の経験から転職できることはあまり知られていません。

ただ、最近では「会計年度任用職員(パートタイム)」の募集が多いです。

会計年度任用職員とは

会計年度任用職員とは、1年契約の非常勤の公務員のこと。週30時間勤務、時給のパートタイム制であることが多いです。給料や待遇は働く場所、地域などによって異なります。

技術系公務員のメリット

技術系公務員にはつぎのようなメリットがあります。

技術系公務員のメリット
  • 給料が安定している
  • 社会的信用が高い
  • 手厚い福利厚生

ただし、都道府県や市町村、配属される部署によっても違ってきますし、先ほどの土木職か指導員かにもよってだいぶ変わるので、一般的な部分を解説していきます。

給料が安定している

公務員のいちばんのメリットは給料が安定しているところ。

景気や利益に左右されないので毎月決まった給料ですし、ボーナスも当たり前にあります。

また、年功序列なので真面目に働いていれば、経験年数に応じてちゃんと役職も給料も上がっていきます。

公務員は給料が少ないと言われていますが、平均年収は600万円~700万円。

こう

けして少なくありませんよね!

社会的信用が高い

公務員は行政に身分を保証されているので、信用度はバツグンに高いです。

家を建てるときのローンも車を買うときのローンも、とりっぱぐれがないので審査に通りやすい(ほぼ通る)でしょう。

どこに行っても公務員と言うだけで信用されるので、社会的地位の高い職業です。

手厚い福利厚生

公務員の福利厚生は分厚いです。

休暇制度も有給休暇の他に数えきれないぐらいありますし、各種手当も覚えきれないほどあります。

土木系現場監督の年間休日数は多くみても110日ほどですが、公務員の平均年間休日数はなんと140日もなるそうです。

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丸々一か月も休みが多い計算です。

ほかにもローコスト・ハイリターンの公務員向けの生命保険や医療制度、退職金上乗せ制度や年金制度があるので笑いが止まりません。

身内の権利はがっつり守られているので相当優遇されていると思います。

技術系公務員のデメリット

技術系公務員にはつぎのようなデメリットがあります。

技術系公務員のデメリット
  • 人によっては仕事量が多い
  • クレーム対応が多い
  • 転属・異動がある
  • 融通が利かない
  • 完全なる縦社会

ただし、都道府県や市町村、配属される部署によっても違ってきますし、先ほどの土木職か指導員かにもよってだいぶ変わるので、一般的な部分を解説していきます。

人によっては仕事量が多い

公務員って完全なる年功序列なんですよね。

下っ端のうちは仕事を押し付けられやすい傾向にあります。たとえば、監督員としてひとりでいくつもの現場を受け持ったりしていますよね。

なので、現場でトラブルがあったり、年度末の繁忙期になると残業が多くなる傾向にあります。

また、台風や地震などの災害が発生すれば(しそうなときも)緊急出勤や庁舎に泊まっての待機などがあります。

こう

時間外手当や深夜手当はがっちりマンデー!

クレーム対応が多い

いやですよねクレーム。

むかしは工事に対するクレームなんかは業者に直接だったのですが、最近では発注者に言う場合がほとんど。

発注者側としては地元住民とのいざこざは避けたいので、ペコペコするばかり。なので、マウントを取りたいクレーマーからジャンジャン電話がかかってきます。

こう

こころを病む監督員も多いそうです。

転属・異動がある

公務員は1年~3年ごとに転属・異動があります。

市町村の場合だと町内の異動なのでとくに変わりはありませんが、国の場合だと全国各地、県の場合だと県内のどこに異動させられます。

新しいところに配属になったらしきたりを覚えなくてはならないし、人の顔・名前を覚えるのも大変ですよね。

ぼくの知り合いは、県の土木職から指導員に異動させられた方もいて、仕事内容がガラッと変わるし、指導員になるには免許を取得しなくちゃいけないので大変だったみたいです。

融通が利かない

基本、公務員は、法律、規則、ルール、マニュアル、前例に沿って動くので、ちょっとしたことでも融通が利きません。

効率が悪くても、合理的でなくてもルールはルールとして守る必要があり、民間から公務員に転職した方は違和感を覚えることは間違いありません。

こう

イライラすることもあるでしょう。

完全なる縦社会

公務員は完全なる縦社会です。

上の役職の人が白と言えば白、黒と言えば黒なのです。

けして反論してはいけません。

受け流すぐらいの軽い気持ちでいるほうが楽に仕事できます。

転職までに欲しい資格や身に付けたいスキル

職業訓練指導員に必要な資格やスキルは特殊なので、また別の記事で解説していこうかと思います。

ここでは土木職に転職する方に必要な資格やスキルを解説します。

解説と言っても、現場監督をしていればそれなりの資格やスキルは身についていると思うのでざっくりした解説にとどめておきます。

こう

ちなみに職業訓練指導員にも必須のスキルです。

土木職に必要な資格やスキル
  • 一級土木施工管理技士
  • CAD製図
  • Excel・Word
  • 最低限のITスキル
  • ビジネスマナー
  • コミュニケーション能力
  • わかりやすい説明スキル
  • クレーム対応スキル
  • 人間力

一級土木施工管理技士

現場監督の経験を活かして土木職や職業訓練指導員になろうとするなら、一級土木施工管理技士の資格は必須です。

なぜなら、一級土木施工管理技士の資格がないと、それなりの規模の現場を経験できないから。

いくら履歴書や職務経歴書で経験をアピールしても、資格がなければ技術や知識を証明することはできません。

参考記事:【作文で悩まない】一級土木二次試験|経験記述代行で無理なく剛格「独学サポート」

CAD製図

現場監督経験者ならCADぐらい当たり前に使えますよね。

土木職なら設計変更の図面を作ったり、職業訓練指導員なら訓練生にCADを教える必要があります。

公務員を目指すならCADを使いこなすだけではなく、CAD製図基準案も頭に入れておきましょう。

Excel・Word

現場監督は文章作成でもExcelを使うことが多いと思いますが、公務員の場合は文章作成はWord、表計算はExcelと分けています。

Wordが苦手でも使えるようにしておきましょう。

最低限のITスキル

ITスキルと言ってもプログラミングやネットワーク構築などの難しいことではありません。

パソコンのセットアップやソフトのインストール、メールの設定などのパソコン操作だったり、インターネットを安全に使う知識や検索能力もITスキルです。

ビジネスマナー

ビジネスマナーに関しては建設業の弱いところ。

あいさつの仕方から言葉遣い、電話対応などの基本的なビジネスマナーは押さえておきたいですね。

こう

ぼくもスクールに通いましたが、まあ、難しいです。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は欠かせません。

現場監督もコミュニケーション能力が高いと言われていますが、ぼくはそうは思いません。なぜなら、現場監督は付き合いの幅が狭く、コミュニケーション能力が無くても仕事ができるからです。

ですが公務員になるとそういうわけにもいきません。

自分の部署はもちろん、部署間の連携や関連機関との調整、設計・施工業者との関わりだったり地元関係者との調整が必要になってきます。

職業訓練指導員なら、訓練生とのコミュニケーションも積極的に図っていかなければなりません。

わかりやすい説明スキル

先ほどのコミュニケーション能力に加えて必要なのが、わかりやすい説明スキルです。

土木職の仕事内容は図面を描いたり数量計算だけではなく、どちらかと言うと関係者との調整がメインです。

こちらが伝えたいことを理論に基づき順番立ててわかりやすく丁寧に説明し、相手にちゃんと納得してもらえる能力が求められます。

クレーム対応スキル

クレーム対応も土木職の仕事のひとつ。

ここで言うクレーム対応スキルは、クレーム処理の能力に加え「自分自身が病まない」ようになるスキルです。

クレーム処理に追われ、電話嫌いになったり対人恐怖症になったり、挙句の果てにはうつ病などを発症する恐れもあります。

病んでしまうと仕事が長く続けられなくなりますので、自分の心を守れるスキルをしっかりと身に付けることが大切です。

人間力

国民全体の奉仕者である公務員は人間力が必須です。

民間企業なら利益のことを考えればよいので、極端なことを言えば人間力がなくてもOKです。

しかし、公務員は特定の人の利益のために仕事したらダメなので、平等・公平・公正の観点から客観的に判断、行動ができなければなりません。

現場監督から公務員への転職方法

現場監督から公務員の土木職に転職するには、採用試験に合格する必要があります。

民間企業とは違い、公務員の場合は応募期間や試験日がきっちり決まっているので、見逃さない・忘れないように十分注意しましょう。

採用試験の内容

採用試験は国、都道府県、市町村などによって違いはありますが、おおむねつぎの表の中から組み合わせて行われます。

公務員「土木職」の試験内容
  • 書類選考
  • SPI3検査(適性検査)
  • 教養試験
  • 専門試験
  • 論文試験
  • 面接試験

赤字の試験項目はどの公務員採用試験でも必須だと思います。

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試験内容の参考を表にしてみました。

書類選考SPI3検査
(適性検査)
教養試験専門試験論文試験面接試験
正規
非正規
都道府県正規
非正規
市町村正規
非正規
採用試験の内容

採用試験の難易度

試験の難易度は、国や都道府県、大卒や高卒、正規か非正規によって異なります。

難易度評価は下記のとおり。

こう

10段階で評価してみました。

項 目土木職職業訓練指導員
大卒程度高卒程度会計年度正規職員会計年度
108595
都道府県86484
市町村753
難易度10段階評価表
  • 土木職の『大卒程度」「高卒程度」は正規職員のことです。
  • 会計年度とは、会計年度任用職員ことでいわゆる臨時職員、非常勤職員、パートタイム職員のことです。

一般的に組織が大きく、学位が高いほど試験内容が増え、より難易度の高い問題が出題されます。

また国家公務員になると、一次面接、二次面接が実施される場合もあります。

公務員採用試験は、社会人経験枠(中途採用)でも甘くありません。民間企業の採用試験よりはるかにきびしいものがあります。

受験資格

公務員試験に応募するためには、受験資格を満たす必要があります。

主な受験資格は

  • 一級(二級)土木施工管理技士
  • 3年以上の実務経験
  • Word・Excelの操作ができること
  • 反社ではないこと などなど

職業訓練指導員には「職業訓練指導員免許(土木科)」が必要です。

公務員を目指すなら登録しておきたい転職サイト

実は公務員の求人情報は不規則に出されることがあります。

見逃さないためにも、公務員の求人情報に強い転職サイトに登録しておきましょう。

doda(デューダ)は公務員への転職・求職・中途採用情報に強い転職サイトです。

公務員の他にも現場監督の経験を活かせる建設コンサルタントや派遣会社の情報も豊富なので、登録しておいても損はありません。

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登録も利用もすべて無料。

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【まとめ】公務員も悪くないかも!

民間から公務員に転職すると、最初のころはかなり違和感があります。ですが、慣れてしまえば楽なところも多いので、ゆったり働けると思います。

ただ、採用試験の勉強が大変です。しかし一回限りのこと。

給料もべつに悪くないし、休みも多いし、現場監督として働いてきてつらい思いをした方には天国ではないでしょうか。

現場監督から転職したい方は、公務員の道も検討してみてくださいね!

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