【40時間耐水性検証】TC素材 vs 雨!ポリコットン製ロックシールドTCは大丈夫?

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TC素材耐水検証

「ポリコットンは雨に弱い」

TC素材のテントやタープの購入を考えている方なら一度や二度、聞いたことがあるかと思います。

TC素材の「火に強い」特性は、キャンプをする人・したい人の憧れ。でも、その一方「雨に弱い」と聞くと、購入をためらう方も多いのではないでしょうか。

そこで今回、庭キャンプの常設テントとして、「ワンティグリス ロックシールドTC」を手に入れたので、雨ざらしにして実証実験を行ってみました。

こう

まっ!ただの放置プレイだけどね。

目次

TC素材ってなんなの?ちょこっとメリット・デメリットを予習復習

TC素材とは?

TC(T/C)は、テトロン(ポリエステルの別名)とコットンを混ぜ合わせた繊維のこと。ポリコットンとも呼ばれる。

テトロンは乾きが早くて水に強い性質を持つ一方、熱には弱い。コットンは通気性に優れ熱に強い性質を持つけど、水には弱いと言われています。

TC素材は、それぞれの素材の強みでお互いの弱点を補っている「ハイブリッド」な生地と言えるでしょう。

ぼち太

ポリエステルとコットンの良いとこどりした繊維ってことだね。

ちなみに、TCとポリエステル(ナイロン)を比較すると下の表のような感じです。

項 目TC
(ポリコットン)
ポリエステル
ナイロン
人気っぷり最近のトレンドスタンダード
見た目マットで重厚感にあふれナチュラルペラペラテカテカ
商品の種類少ないカラー、デザインが豊富
価 格だいたい高価安いものから高いものまで
軽 さ重たい軽い
耐久性劣化しにくく長持ちUVや雨、時間経過で劣化する
耐水性水がしみ込む、重たくなる吸水性がなく、雨に強い
耐熱性燃えにくい火の粉で穴があく、燃える
通気性結露しにくい結露する
遮光性しっかり日陰スケスケ
TCとポリエステル(ナイロン)の比較

TC素材 最大のメリット「火に強い」

テントの近くで焚き火、薪ストーブ、BBQをするなら、やっぱりTC素材のもんです。

ポリエステルだと「パチッ」と火の粉が飛べば、一瞬で穴が空きます。テントの中の薪ストーブの熱で燃えたり溶けたりすることも。

すこしお高くてもTC素材が人気なのは、火に強いからなんですよね。(まったく燃えない、穴が空かないわけじゃありませんのでご注意を)

こう

あと、見た目の違い。

TC素材のテントやタープは重厚でナチュラル。ポリエステルやナイロンのような安っぽさがありません。

TC素材 最大のデメリット「雨に弱い」

今回の検証事項「TC素材は雨に弱いのか」ですね。

雨に弱いとは聞きますが、実際のところどれほど弱いのかわかりませんよね。

確かに、一般的なテントの耐水性の表示だけ見ると

  • TC素材:300~400mm
  • ポリエステル製など:1,500~2,000mm

なんと耐水性に5倍もの開きがあります。これだけ見れば「弱い」と納得してしまいそうです。

ただ、コットンやポリコットン製の生地は、水分を含むと膨張して「水を通しにくい」とも聞きます。

けっきょく数字だけ見てもどうなのかわかりません。

ぼち太

実験するしかないな!

はい!というわけで、ゴールデンウィーク終盤が雨の予報(しかも大雨)なので、実証実験をしてみました。

モルモットテントはこちら!「ワンティグリス ロックシールドTC」新品

OneTigris ROC SHIELD TC
4月27日に完成した新築
こう

あ~・・・新品をさっそく雨ざらしか・・・。

まあ・・・どうせ常設用のテントとして買ったんだし、雨風にさらされるのは覚悟の上。

ワンティグリス ロックシールドTCの耐水性に関するデータはこちら。

ブランドOneTigris(ワンティグリス)
商品名ROC SHIELD TC(ロックシールドTC)
材 質ポリコットン
(ポリエステル65%:コットン35%)
耐水圧400mm
コーティングの有無有(撥水・防カビ)
ロックシールドTCの耐水性に関するデータ

ロックシールドTCの詳しい内容はこちら!【庭キャンプ】ロックシールドTC「サイズ感から注意ポイントまで」徹底レビュー!

ロックシールドTCの耐水性は、一般的なTC素材のテントと同水準。

なので、ほかのメーカーでもTC素材のテントを買うときの参考になると思います。

いざ!TC vs 雨 「40時間耐水検証実験」

ちょっと時系列を整理しておきます。

  • 4月25日:ロックシールドTC着弾
  • 4月27日:初張り
  • 4月29日:にわか雨に打たれる
  • 5月5日:実験準備(タープ殉職)
  • 5月6日:実験初日(15時ごろから雨)
  • 5月7日:実験中日(一日中雨)
  • 5月8日:実験最終日(7時ごろ雨止む)

こんな感じで実験をしました。

かる~い気持ちで始めた実験だったのですが、最終的には連続40時間の長雨、累計降水量88mm、最大時間降水量9.0mmのなかなかの大雨でした。

こう

結果を先に言っておきましょう!

40時間耐水性実証実験の結果

見事!耐え抜きました!

テントの外側は「だいぶ浸み込んでるな~」という印象ですが、内側はさすがにサラサラではないけれど「ちょっと湿ってるかな?」って感じる程度。雨漏りや水が浸み出てきた様子はありませんでした。

40時間もの大雨に耐えることができるなんて、けっこう予想外。

「ん~。そんじょそこらのポリエステルやナイロンより雨に強いんじゃね?」と正直思います。

それでは、4月29日の「にわか雨に打たれる」ところから実験結果を報告していきます。

4月29日:にわか雨に打たれる

本検証の一週間ほど前に「パラパラッ」と雨に打たれています。

その時の様子がこちら。

このときはまだ甘さがありました。

ロックシールドTCを守るため、長年使ってきたコールマンのタープに護衛させていたのです。

それでも雨はあたります。

こう

さすが新品!ピチピチでよくはじきますね!

5月5日:実験準備(タープ殉職)

せめてキャノピーに水が溜まらないように

明日から風も強くなるとの予報だったので、風対策でガイロープの増設をすることに。

タープも配置を変えて張り直してたんだよね。

このときはまだ「TCでもタープを張れば大丈夫!」みたいな企画を考えていました。

こう

でもね・・・。

突然「ぎゃーーーーーーーーっ」と悲鳴が響きました。

風でバタつくタープを見上げると、裂けるチーズではありませんか!

コールマンのタープ。よく10年ももってくれた。

色あせてコツコツになってたから、もうそろそろかなとは思っていたけど、まさかここで殉職されるとは。

実は「40時間耐水性実証実験」はこの瞬間に半ば強制的に始まったのです。

せめてキャノピーに水が溜まらないようにと、真ん中を下に引っ張って導水路を確保。

これで明日からの雨を待つばかりです。

5月6日:実験初日(15時ごろから雨が降りはじめる)

TC素材の耐水性検証初日、降り始めから3時間後の外側の様子
降り始めから約3時間後(18時ごろ)の様子

15時ごろからポツポツと弱い雨がしばらく続いたあと、18時ごろから2mm前後の本降りに。

上の写真は3時間後の18時ぐらいの様子ですが、雨が直接あたるキャノピー部分や背中側の撥水は失われているように見えます。

TC素材の耐水性検証初日、降り始めから3時間後の内側の様子
3時間後の内部の様子

テント内部はとくに変わりありません。

5月7日:実験中日(一日中雨)

TC素材の耐水性検証中日、降り始めから17時間後の外側の様子
降り始めから約17時間後(8時ごろ)の様子
TC素材の耐水性検証中日、降り始めから17時間後の内側の様子
結露ですこししっとりしている程度

朝8時ごろ、様子を見に行ってもとくに変わりなし。

内側は結露でしっとりしている程度で、触っても濡れることはありません。

午前中は1mmぐらいの雨が強弱をつけながら降り続いていました。

こう

午後から4mm/hを超える本気の雨

TC素材の耐水性検証中日、降り始めから25時間後の外側の様子
降り始めから約25時間後(16時ごろ)の様子
ガイロープのおかげでキャノピーに水が溜まらない

16時、テントも地面もびっちゃびちゃ。

こう

写真を撮りに出たぼくもびっちゃびちゃ!

さすがにここまで降るとポリコットンどころか、ポリエステルやナイロンでも雨漏りするだろーって感じの土砂降り。

だけど中に入ると

TC素材の耐水性検証中日、降り始めから25時間後の内側の様子
降り始めから約25時間後(16時ごろ)の様子
TC素材の耐水性検証中日、降り始めから25時間後の内側の様子
土砂降りでも雨が入ってこない天井のハトメ部分
ぼち太

だれだよ、TCは雨に弱いって言ったヤツは

あれ?ぜんぜん平気。

雨漏りも雨がにじみ出てきた形跡もありません。ポールを挿すところのハトメ、生地の縫い目も大丈夫。

5月8日:実験最終日(7時ごろ雨止む)

TC素材の耐水性検証最終日、降り始めから40時間後の外側の様子
降り始めから約40時間後(7時ごろ)の様子
TC素材の耐水性検証最終日、降り始めから40時間後の外側の様子
キャノピーに水たまりはありません
TC素材の耐水性検証最終日、降り始めから40時間後の外側の様子
全体的に水がしみ込んでいる感じですっしり重たい

実験開始から3日目の朝7時ごろ。

40時間降り続いた雨もようやく止みました。(となりの県では堤防決壊の災害もあったほどの大雨でした)

テントは、全体的に水を含んでいる感じです。

こう

重たそうですね。

横に回り込んでみると

TC素材の耐水性検証最終日、降り始めから40時間後の外側の様子
垂直の部分は撥水が効いている

雨が直接あたらない垂直部分は撥水が効いていて、雨をはじいていますね。

中に入ってみましょう。

TC素材の耐水性検証最終日、降り始めから40時間後の内側の様子
少し結露で湿っている感じはするものの、雨漏りの形跡はなし
ポール、継ぎ目部分も大丈夫

昨日の夕方と変わりなく、湿っている感じはするけど、触っても濡れることはありません。

こう

これにて耐水性検証実験は終了!

【続・検証】濡れたTCテントは何時間で乾く?

TCテント乾燥時間検証
朝7時、びっちゃびちゃのロックシールドTC

引き続いて、TCテントが乾くまでの時間を計ってみます。

乾燥検証の環境
  • テントはこのままの状態
  • 水を拭いたり払ったりしない
  • 天候は 曇り→薄曇り→晴れ
  • 気温は13℃~18℃
  • 風速6m/s前後
こう

結果を先に言っておきましょう!

濡れたロックシールドTCが乾くまでの時間

6時間で乾きました!

正確には、お出かけから帰ってきて「そろそろ乾いてるかな~」みたいな感じで見に行ったら乾いていた。

だから、ほんとはもう少し早く乾いてたのかもしれません。

わかっていると思いますが、乾燥時間は気温、湿度、日当たり、風などの気象条件に左右されます。

まあ、6時間で乾いたのが早いのか遅いのかは知らんけど、もうちょっと暑くなってきたら午前中には十分乾くのではないでしょうか。

6時間で乾いたロックシールドTC
朝7時に雨が上がり、昼の13時ごろには乾いてた

【続・続・検証】撥水は復活する?

撥水性は復活する?
乾いたロックシールドTC

ふと気になったのが撥水性。

あれだけ雨にあたって「びちゃーん」ってなってたから、撥水性はもう失われているのかな?

そこで追加検証。

こう

バケツで水をぶっかけてみた!

ロックシールドTCの撥水性は復活する

復活しましたね!

正確には、お出かけから帰ってきて「そろそろ乾いてるかな~」みたいな感じで見に行ったら乾いていた。

だから、ほんとはもう少し早く乾いてたのかもしれません。

わかっていると思いますが、乾燥時間は気温、湿度、日当たり、風などの気象条件に左右されます。

ロックシールドTCの撥水加工は乾いたら復活する
乾いたら撥水性は復活する

勢いよくバケツの水が当たったところは滲んでいるけど、流れた場所は水玉になってはじいてる!

ぼち太

復活するんだ!

こう

でもあくまでコーティングだからね

撥水コーティングは車のワックスと同じだと思う。

なので、雨や紫外線、時間の経過とともに、撥水効果は薄れていくんじゃないかな。

しばらく様子を見て、テント用の撥水スプレーも試してみたいですね。

【まとめ】TC素材、実は雨でも大丈夫だった!

雨のロックシールドTC
雨のロックシールドTC
こう

今回の検証をまとめます!

月 日平均降水量最大時間降水量日降水量最大風速
5月6日1.3mm/h4.5mm/h13mm10.4m/s
5月7日2.9mm/h9.0mm/h69mm10.9m/s
5月8日0.9mm/h6mm/h6mm8.8m/s
3日間の降水量など

3日間の総雨量88mm!これだけ雨が降ってもロックシールドTCには雨漏りや水が浸み出てくることはありませんでした。

ふつうなら最大3mmを超える雨の場合、キャンプは中止レベル。

なので、今回1.5~3倍の雨でも大丈夫だったと言うことは、よほどのことがない限りTC素材でも雨降りキャンプは可能ってことですね!

※あくまで個人的な意見です。キャンプをするときは天候はもとより、地形や周囲の状況をよく確認して安全側の判断をしてください。

ただ、雨降りキャンプはテントは大丈夫でも足元がかなり悪くなります。

テントは大丈夫でも地面はぐちゃぐちゃ
地面がズルズルのびちゃびちゃ

今後は、この地面の対策をどうするか考えていきたいと思います。

こう

下の記事で、TC素材のおすすめテントを紹介しています。時間がある時にでもご覧ください。

TC素材耐水検証

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