- 重たいからイヤなんだよね
- エギングしにくくない?
- 泳げるから大丈夫っしょ
確かにライフジャケットは重たいし、シャクリにくいし、邪魔だと感じますよね。私もライフジャケットを着けるまでは同じように思っていました。
ライフジャケットを着用しなくても釣りはできます。
私もエギングにいくのですが、よく行く漁港でのライフジャケットの着用率は1割程度です。
みんな「泳げるから大丈夫だし、そもそも海に落ちないから」とか思っていませんか?
私は高校時代「水泳部」でした。地元のおっさん達より泳げる自信はあります。そもそも海に落ちないとも思ってます。だけどライフジャケットは必ず着用しています。
それは万が一で命を落としたくないからです。
そこで今回この記事では『ライフジャケットの必要性と選び方』を解説します。
- ライフジャケットってなに?
- なぜ必要なの?
- ライフジャケットの種類
- ライフジャケットの選び方
エギング用のフローティングベストが気になる方はこちらの記事へ:「はやく買えばよかった」エギングが快適になるフローティングベストの選び方
そもそもライフジャケットとは?
ライフジャケットとは、着用者を水上に浮かせ、頭部を水面上に位置させる救命用具のひとつ。主にプールや河川、湖沼、海で用いられるが、海上を飛行する飛行機にも装備されている。ライフベスト、救命胴衣とも呼ばれ、その目的や用途によって様々な大きさ・デザインが存在する。
引用:Wikipedia
ライフジャケットはベストタイプの物が一般的で、釣りはもちろんのことマリンスポーツ、アウトドアなど様々な場面で使用されます。
ライフジャケットはその名の通り「命を守るためのもの」で、正しく着用することで落水しても体を浮かせてくれる働きをします。
泳げるのにライフジャケットは必要なの?
ライフジャケット非着用の生存率31%
日本では釣り中の海難事故で毎年100人前後が「死亡又は行方不明」になっています。
また、WAVALさんの記事によると落水による生存率は「ライフジャケット着用で85%」「非着用で約31%」となっています。
ライフジャケットを着用して海中転落した場合、未着用の場合に比べて生存率が約3倍も高く、逆に未着用の場合は死亡、行方不明率が約5倍も高くなります!
下の表を見てもらえればいかに「ライフジャケットの必要性」があるかわかると思います。
なぜ落水で死亡するのか
簡単に言えば「飛び込む」のと「落ちる」は全くの別物だということ。
落水するときは「足が滑ったり」「波にさらわれた」ときがほとんどです。こういった場合はとっさの回避行動が難しく、バランスを崩して頭を打ったり、手足の骨を折ることがあります。
ライフジャケットを着用しいない状態で頭を強打し、意識不明のまま海に落ちれば確実に死亡します。手足を骨折した場合は泳ぐことができず、溺れて死亡します。
泳ぎが得意でも衣服を着用していてはうまく泳ぐことができず、波や潮の流れによって海中に引きずり込まれてしまいます。
ライフジャケット着用も生存率100%ではない理由
ライフジャケットを着けていても、100%助かるわけではありません。
落水してもすぐ陸に上がれる状況ならよいのですが、ケガをしていたり、堤防が高くて上がれなかったり、波が高くて這い上がることができなかったり、潮に流されたりなどした場合、周りに人がいなければ発見が遅れ長時間水中にいることになります。
そして落水して呼吸ができる状態でも、海水によって体温が奪われ「低体温症」を引き起こします。海水温が20℃以上であっても2~12時間で意識を失い、その後死に至ります。
海水温が低ければ死に至るまでの時間はもっと短くなります。海水温が10℃~15℃で2時間以内に意識を失い、6時間以内で死に至ります。
また膨張式ライフジャケットの場合、落水した際に破れ機能を果たさなかったり途中で空気が抜けてしまったりします。浮力体式ライフジャケットの場合だと、正しく着用されてなく落水の衝撃で脱げてしまったりして、役目を果たさないことがあります。
ライフジャケットをただ着用すればいいわけではなく、ライフジャケットの選び方、正しい着用方法などの知識が必要となるのです。
釣り用ライフジャケットの種類
浮力体式ライフジャケット
浮力体式ライフジャケットはベスト式となっていて、背中・胸の部分に浮力体が入っています。
フローティングベスト(ゲームベスト)と呼ばれるタイプは、ポケット等が多数あり収納性、機能性に優れています。
各メーカー軽量で動きやすいものが開発・販売されています。とは言っても膨張式に比べると重く、動きにくく、夏は暑いなどの短所がありますが、転倒時などに体への衝撃を和らげてくれます。
安全性はトップだと言えます。
<長所>
- 機能性に優れている
- 衝撃から体を保護できる
- 安価な商品もある
- 安全性が高い
- 種類が豊富
- デザイン性が高い
<短所>
- 膨張性と比べると動きにくい
- 夏場は暑い
- 持ち運び時にかさばる
参考記事:「はやく買えばよかった」エギングが快適になるフローティングベストの選び方
膨張式ライフジャケット
膨張式ライフジャケットは内蔵されたガスボンベが作動することにより膨らみ、水に浮くことができます。
この膨張式ライフジャケットには、肩掛けタイプと腰巻タイプがあります。
膨張式ライフジャケットは軽く動きやすい特性があります。
しかし機能を維持するために定期点検を実施する必要があります。また、磯場などで転倒するなどにより破れる恐れがあるほか、雨や波しぶきなどで誤作動をおこす可能性があります。
<長所>
- 軽く動きやすい
- 持ち運びに便利
<短所>
- 点検整備が必要
- 機能性がない
- 安全性が不確実
- 高価
船釣り用ライフジャケット
2018年2月1日以降、船上で釣りを行うときは、国土交通省認定品(桜マーク)のライフジャケットの着用が義務化されました。
船舶の大きさ、利用環境、航行区域によってライフジャケットの規格が決められています。船上で釣りを行う際は下表の「TypeA」の着用が義務となっています。
ライフジャケットの選び方
おすすめは浮力体式ライフジャケット
いつも行く釣り場がサーフや堤防の足場が良い所なら「膨張式ライフジャケット」でもOKです。
テトラの上や磯に行く場合には「浮力体式ライフジャケット」でなければいけません。
前にも書きましたが「膨張式ライフジャケット」は擦れて破れる恐れがあるため、磯場には向いていません。
浮力体式ライフジャケットと膨張式ライフジャケットを両方購入できる場合は使い分けてもらえばいいのですが、どちらか一方を購入する場合は「浮力体式ライフジャケット」がおすすめです。
浮力体式ライフジャケットは一度買えば買い換える必要がなく長い間使えます。収納性・機能性もあり全ての釣りに重宝します。
決して安い買い物ではないですが、ロッドやリールよりまず浮力体式ライフジャケットを買って下さい。
サイズ選びは慎重に
ライフジャケットのサイズはフリーサイズのものから、体形に合わせてサイズが選べるものがあります。
各メーカーによってもサイズ感が異なる場合もあるので、ネットで購入する場合でもお店での試着をおすすめします。大きすぎてもダメだし、小さくて窮屈なのもダメです。
購入後は各部のベルト調整を行って、自分の体にフィットするように調整をしてください。
余りにゆるゆるだと機能を果たせませんし、きつ過ぎても体の動きに支障をきたします。
有名メーカーのライフジャケットを
有名メーカーは独自の安全基準を設け、厳しい条件をクリアしたものを開発しています。
また、釣り人の目線に立って快適性・機能性を追求して作られています。
値段は高いかもしれませんが有名メーカーのライフジャケットの方が安全で修理保証なども受けられますので、有名メーカーのライフジャケットの購入をおすすめします。
【まとめ】ライフジャケットは必要です
ライフジャケットの必要性から選び方を解説しました。
最近のライフジャケットはデザインもかっこよく、機能も充実しています。エギングに使う小道具も全て収納可能なモデルもあり、ライフジャケットがあればタックルバッグは必要ありません。
自然=危険という認識を持って頂き、釣りライフを安全に快適に楽しんで頂けるようライフジャケットを必ず着用して下さい。
また、船釣りの場合は使用できるものとできないものがありますので、船釣りでライフジャケットを購入される方は良く確認して下さい。
ライフジャケットは安い買い物ではありません。
しかしライフジャケットを着用することで助かる命もあります。
楽しい釣りで命を落とさないためにもライフジャケットを着用しましょう。
最後に
2017年4月、私の大事な友人は一人で釣りに出かけて帰らぬ人となりました。
行方不明になってから約一か月後、数百キロメートルも離れた場所で発見されました。
この友人の死をいまだに信じることかできず、受け入れることができません。たぶんこれから先も受け入れることなどないでしょう。
いつか元気に戻ってくる気がして。
皆さんもご家族やご友人に、このような想いをさせたくはないでしょう。突然の死は自分だけではなく親しい周りの人間にも影響するのです。
今一度、ライフジャケットを必ず着用することと、無理な釣行をやめて頂きますようお願いします。
<転ばないためにも足元も固めましょう>