除雪への苦情「ちょっと待った!」相手のことを考えれば我慢できるはず

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「除雪が遅い!」「家の前に雪を山にするな!」「早朝からうるさい!」

苦情を言いたい気持ちはわかります。でも苦情を言うのはやめにしませんか?

今回この記事では、除雪をする建設業者の立場でお話していきます。

この記事を見てもらったら、深夜から早朝にかけて大きな重機に乗っている運転手さんの気持ちが理解できると思います。

目次

除雪をさせたい行政、除雪をしたい会社、除雪をしたくない運転手

国道・県道・市道などは行政が管理していて、除雪業務は地元の建設会社が委託を受けて行っています。

道路を管理している各行政は円滑な交通を確保する義務を負っており、除雪もその義務の一つです。

行政は自分たちが除雪をするわけではなく、委託先の建設会社に指示を出すだけです。しかし、除雪が間に合わないために立ち往生などの交通障害になった場合、行政は責任をきびしく追及されます。

だから、行政はどうしても建設会社に除雪をさせたいのです。

会社は会社で、社員や重機を遊ばせておくぐらいなら、安い委託料でも除雪をしてお金を稼いだほうが得だと考えています。

なので、行政と会社の利害は一致していると思います。

ですが、重機の運転手は除雪をしたくてしている訳ではないのです。

除雪は長時間の拘束をうける

雪が降る予報がでると、運転手には待機命令が発令されます。

いつでも出動できる準備を整えて待機をするわけですが、休日や夜間の自宅待機には給料は出ません。もちろん、出かけることもお酒を飲むこともできません。

中には、会社などで待機をさせられ結局雪が積もらなかったパターンもあります。

無給で時間を拘束される。そんなバカな話が当たり前に行われているのが現状なのです。

大雪になると不眠不休で働かされる

除雪を行うためには、公道を走るための「大型特殊自動車」、重機を操作するための「車両系建設機械」の免許・資格が必要になります。

だから誰でもできるものではなく、限られた資格者だけが公道の除雪をすることができます。

しかも除雪は、経験とそれなりのスキルが必要で、免許・資格を取得したからと言ってすぐにできるものではありません。

長い実務経験、卓越した運転技術は除雪には欠かせないのです。

なので除雪のできる運転手は限られており代わりがいない、だから慢性的な人手不足が顕著に表れているのです。

大雪になると2、3日は家に戻ることも休むこともできません。しかも食事もまともに食べることもできないのが現状なのです。

こんな過酷な労働をだれがしたいと思いますか。

除雪業務に従事しても手当はない

重機の運転手に支払われる給料は、勤務時間内なら月給のうち、時間外なら時間あたりの割増賃金だけです。

過酷な除雪業務を行っても、とくに特別な手当が支給されることはないのです。

しかも先ほどの「待機時間は無給」であるため、長い時間拘束されれば割に合わないのです。

自宅は放ったらかし

雪が積もると普通の人は玄関先や駐車場の雪かきをします。

女性には重労働なので、雪かきはお父さんや息子さんなどの男性がメインとなって行いますよね。

しかし、除雪を担当する重機の運転手は、自分の家を放ったらかしにして公道の除雪を行っています。

家にいる家族に男性がいればいいのですが、いない場合は奥さんなどが重労働を担うことになります。また、運転手が一人暮らしである場合には、不眠不休で除雪をしたあと、家に帰ってから自宅の雪かきをすることになるのです。

除雪について苦情を言われる

「除雪が遅い!」「家の前に雪を山にするな!」「早朝からうるさい!」 などが苦情の代表格です。

中には「固い雪が車に当たってキズがついた」「玄関先の花壇が壊れた」などもあります。

公道の除雪には大きな重機を使います。機械が大きくないと雪の重さに負けて、雪を押すことができないからです。

しかし、大きがゆえに繊細な作業は難しいこともあります。大きいがゆえに大きな音がします。

だから、家の前に雪が山になったり、玄関先の車や花壇に押された雪が当たることもありますが、コントロールできるものではないのです。

「早朝からうるさい」に関しても、一般の方の通勤や通学の時間帯までに除雪を完了させるために、運転手は深夜から早朝にかけて除雪を行います。

もし、朝の7時、8時に除雪が終わっていなかったら、今度は「除雪が遅い」の苦情が殺到することになりますし、住民の生活に多大な影響があることは間違いないでしょう。

除雪について苦情を言われるのなら、除雪をしない選択肢も考えてみてはどうでしょうか?

除雪をしてもらえる有り難さを知る

過酷な労働である「除雪」、運転手は除雪をしたくてしている訳ではないことが分かっていただけたと思います。

ましてや除雪を行える腕のいい運転手は少なくなる一方で、そのうち除雪ができなくなる日が来るかもしれません。

そうなると円滑な交通だけではなく、私たちの生活もマヒしてしまいます。

除雪ができなくなるとどうなるかを考えてみましょう。

すべての物流は止まる

除雪が行われないと、自動車で走ることは不可能になります。

「仕事にも行けない」「買い物にも行けない」

仕事?買い物?そんな甘い話ではなくなります。

会社に行ったところで必要な物資が入らないため仕事にならない。大雪になれば会社の利益が落ちるから、無給休暇になる可能性もあります。

スーパーに買い物に行ったところで食品が入らないので棚は空っぽ。雪が自然と溶けるまで食べることはできません。

大雪になればすべての物流は止まり、たちまち私たちの生活は立ち行かなくなるのです。

水道、電気、ガスが壊れても復旧されない

水道、電気、ガス、いわゆるライフラインと呼ばれるものですが、生活するためには欠かせないものです。

しかし除雪が行われないと、凍結して水道管が破裂しても、雪の重みで電線が切れても、プロパンガスがなくなっても、雪が溶けるまで復旧されることはありません。

一気に100年前の生活に逆戻りです。

現代に生きる人間に、飢えに耐える術はありますか?寒さをしのぐ術はありますか?

だれも助けには来ない

病気になったら、火災が起きたら、事件にあったら、あなたはどうしますか?

もちろん救急車を呼び、消防車を呼び、警察を呼びますよね。

残念ですが、交通がマヒしたらだれも来ません。だれもあなた助けてはくれません。

大切な家族、大切な恋人にもしものことがあっても、雪が溶けるまで自分たちでなんとかしなくてはいけないのです。

大雪でも当たり前の生活が守られている

ここまで読んでくれた方は、除雪に苦情を言おうなんて気持ちはなくなったと思います。

道路の円滑な交通を守る行政、実際に過酷な除雪を行う運転手。

あなたの苦情でこの人たちがいなくなれば、あなたの当たり前の生活が当たり前ではなくなります。

確かに除雪が遅いときもあります。家の前に雪が山になります。深夜から早朝にかけてうるさいかもしれません。車にキズが付くことも、花壇が壊れることもあるでしょう。

しかし、あなたの言いたい苦情は大したことですか?

除雪が遅いなら遅刻すればいい。雪が山になれば自分でかけばいい。うるさくて眠れない?運転手は不眠不休。車のキズなんて直せばいい。花壇なんて買い換えればいい。

ただそれだけのこと。

大雪でもあなたがご飯を食べられるのも、暖房で暖かいのも、温かいお風呂に入れるのも、みんな除雪のおかげなんです。

苦情なんかより、感謝の言葉を渡してあげてください。運転手さんに温かい缶コーヒーでも渡してあげてください。

あっでも、稼働中の重機には近づかないようにしてくださいね。ぺっちゃんこになりますので。

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