現場監督は激務で、残業・休日出勤は当たり前だと思っている現役の現場監督も多いのではなかろうか。
私も10年ほど前までは、毎日2~3時間の残業は当たり前、遅い時には日付が変わることも。また工程が厳しい現場では数ヶ月休み無しなんてのも当たり前であった。
しかし最近では、毎日がノー残業DAYで基本休日出勤はしない。
なぜここまで働き方が変わったかと言うと「考え方を変えたから」なのである。
今回は私が実践している方法を交えながら、考え方を変えれば現場監督の働き方は大きく変わるというお話をしていく。
なぜ現場監督は激務なのか?

まず始めに現場監督が激務になる理由をお話する。
現場監督は全ての責任を負わされる
現場監督に対する世の中のイメージは
- 威張っている
- 命令だけしていればいい
- なんだか偉そう
こんな感じであるかと思う。
しかし実際は、何か大きなトラブルが起きれば責任を負わされたり、発注者(お客さん)から無理難題を押し付けられたり、地元住民の理不尽なクレームなどに耐えなければならない。
四方八方からの責任に取り囲まれ、全ての責任を果たしながら現場を動かしていく、これが現場監督の仕事なのである。
本来の現場監督の業務は、現場を運営していくこと、現場を管理することなのであるが、これにプラスして余計な責任が増え続けたことにより現場監督は激務になってしまったのである。
雑用から利益まで業務が多岐に渡る
トイレ掃除から最終の利益確定までの管理を行うのが現場監督。
「トイレが汚い」と指摘され、「利益が少ない」と怒られる。
会社なら事務員や営業など、色々な人が当番で行ったり役割を分担して行う仕事を、現場監督は1人~2人で全てを行わなくてはならない。
しかも社内からの要求ならまだしも、発注者や地元、関係する官公庁の些細な要求にも対応せねばならず、業務は多忙を極めるのである。
考え方を変えると働き方が変わる

では私が実践している考え方や行動をご紹介していく。
石橋は叩いて渡るな
責任が重いがゆえに、あれもこれもと先手を打ちたい気持ちが出てくるのは当然だと思うが、実は心配することの90%以上は実際には起こらないのである。
だから心配や不安に対して100%の準備をしたとしても、90%はムダになるわけである。
この90%のムダを削減することで、時間に余裕が生まれる。
心配事なんて実際に起こってから対処すればいいだけの話なのである。
書類は必要最低限でシンプルに作る
普段の協議や提出する書類、検査のための書類などは、実はそんなに意味を持たないものが多いのが事実。
結局、工事の書類なんて検査さえ終わってしまえば、基本もう二度と見ることはない。そんなもののためにあなたの貴重な時間を費やす必要なんてないのである。
なので仕様書などで求められている書類をいかにシンプルに作るか、使い回しができないかを考えたほうがよっぽど効率がいい。
工事成績のために、書類の見栄えや検査官のウケを重視する必要はまったくないということである。
自分の仕事以外のことはしない
同僚の現場監督を見ていると、忙しいにも関わらず現場の草刈りを始めてみたり、下請けの職人さんといっしょに作業をしたりする人がいるが、その人が現場のトップなら他の部下も必然的に手伝う羽目になる。
現場監督は現場を管理することが仕事。
自身が作業をすることで、経費を抑えられると思っているであろうが、自身の仕事を後回しにして残業や休日出勤をすれば同じこと。
他の人でもできること、任せられる仕事はやらないという考えを持つことが大切である。
また現場に付きっきりでボーッと眺めていたり、雑談をしている監督を見るが、時間のムダ。やるべき仕事をさっさと片付けたほうが生産性が上がる。
定時になったら帰る、休日出勤はしない
「家にいてもすることないし仕事をする」という人が結構な割合でいるのが現場監督である。
正直好きにすればいいと思うのだが、部下はたまったもんじゃない。
私は定時になったら上司が残っていようがさっさと帰るを基本にしているが、「あいつは定時になったら帰ってしまう」と報告されたことがある。
私だって必要があれば残業もするし、休日出勤だってする。しかし必要がなければしないだけのこと。
「残業しているから頑張っている」の昭和の価値観はすでに終わっているのである。
今までお話した考え方を実践してもらえれば、残業や休日出勤は無くせる。
結局、残業や休日出勤をするかしないかはあなたの考え方次第なのである。
まとめ
よくよく考えたら現場監督の仕事って結構ムダが多いと思いませんか。
できる限りのムダを排除することができれば、時間に余裕も生まれるし結果的に効率よく求められた品質の物を早く安く安全に作ることができるのである。
しかも残業も休日出勤も無くせて、同時にストレスも減らせる。良い事尽くめなのである。
<手放せば楽になる。幸せになれる。>


