災害が発生してからではもう遅い!
災害が発生したとき、あなたの食事はどうなるのか考えたことありますか。
「国や自衛隊からすぐに食料が届くでしょ」
と思われている方も多いのが現状です。
しかし実は大規模災害が発生した場合、水や食料などの救援物資が届くまでに3日間はかかるとされています。(南海トラフ巨大地震では7日間以上との予測も)
今回この記事では「災害が発生した場合、避難生活の食事はどうなるのか」に焦点を当ててお話します。
知らないと損、というレベルの話ではなく、知らないと大変な目に遭います。
食料はすぐには手に入らない

テレビで救援物資の配布や、炊き出しの光景を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
しかし避難生活で食事が配られるのは数日後のこと。

スーパーやコンビニで買えるだろう
と安易に考えるのは危険です。
あなたの住む地域が直接被害に遭ったとき、当然ですが近所のお店は機能していません。また直接的な被害がない場合でも、スーパーやコンビニの商品棚からは、一斉に食料品がなくなります。
震度6弱の揺れにも関わらず、被害は少なかったのですが、翌日のスーパーやコンビニからは食料品の姿がなくなりました。
災害が発生した場合、人々は不安に駆られパニックを引き起こし、必要以上に大量のストックを抱え込む「買占め」という行動にでます。
また規模の大きい地震などでは物流が一時的にストップしてしまうため、需要に対して供給が追い付かない状態が発生します。
なので災害が発生した後では食料品は手に入らなくなり、食事もままならない状況に陥るのです。
このような現象は離れた場所でも発生することを頭に入れておいてください。
最低でも3日分の食事を確保


大規模災害が発生した場合、水や食料などの救援物資が届くまでに3日間はかかるとされています。
ですから災害が発生してから最低でも3日分の食事は、自力でなんとかしなくてはなりません。
南海トラフ巨大地震が発生した場合には、救援物資が届くまでに7日間以上かかるとされています。直接的な被害が予測されていない地域でも、できれば7日分またはそれ以上の備蓄をすることが望ましいです。
最低でも3日分と言いました。
しかし3日後に水や食料などの救援物資が届き始めたとしても「十分な量」ではないこと、また救援物資が届かない可能性もあることを覚えておいてください。
被災地に届けられる救援物資の量は、避難所などによって格差がでます。
届く救援物資が避難者の人数に対して足らないことは当たり前、1日1人につきパンが1つなんてことも。
大人は我慢できるかもしれませんが、育ち盛り食べ盛りの子どもには大変つらい状況だと言えます。
どんなものをどれだけ備蓄するか


避難生活では最低でも3日分の食事を確保することはわかりました。
頭を悩ますのが「どんなものをどれだけ備蓄するか」です。
備蓄可能な非常食は
食料を備蓄するにあたって重要なことは、消費期限と避難生活でもすぐに食べられることです。
主な非常食は
- 水
- アルファ米、パックご飯
- パスタ
- レトルト食品
- 缶詰
- カップラーメン
- インスタント味噌汁
- 乾パン
- シリアル、クラッカー
- チョコレートなどのお菓子
などですね。
メインは水や火を使わなくても食べられるものがベストです。
メニューを考える
参考までに、1人1日分の例をあげると
水 | 2ℓ |
朝食 | 乾パン |
昼食 | カップラーメン |
夕食 | ごはん、レトルトカレー |
間食 | チョコレート |
あくまで一例ですが、実際に3日分の献立を考えて用意すると、ムダがなくなります。
家族の年齢やアレルギーを考慮する
備蓄する食料品は家族の構成に合わせて考える必要があります。
高齢者には乾パンなどの硬いものが食べられない方もおられるでしょう。アレルギーがある子どもは特に注意しなければなりませんし、赤ちゃんには粉ミルクや離乳食が必要になります。
ぜひ考えて頂きたいのは救援物資の食料が配られても、高齢者やアレルギーをもつ子どもが果たして食べられるかどうか。
最初の頃の救援物資には赤ちゃんの粉ミルクや離乳食もないかもしれません。
避難生活の食事について考えるときは、家族一人ひとりの状況に合わせることが重要になります。
<白米だけじゃない!おいしさ色々アルファー食品のレトルトご飯>


避難生活の食事をおいしくとる工夫


避難生活では冷えた食事がほとんどです。
カップラーメンも水で作ることも可能ですが、やはり温かいものが食べたくなりますよね。
避難生活での温かい食事は、不安や緊張を和らげてくれて、気力を回復させてくれます。
温かい食事をするためには、カセットコンロが役に立ちます。
防災用としてカセットコンロを用意しておくことをおすすめします。
注意する点はカセットガスです。ホームセンターなどに売っているカセットガスは、一般家庭用のため、10℃を下回る低温時の使用には適していません。
10℃を下回るような寒い季節に、外で使用するためには、アウトドアでの使用を想定したカセットガスが必要になります。
カセットガスの備蓄は1日1本が目安となります。
またカセットコンロは風の影響を受けやすく、外で使用するときは風に強いタイプをおすすめします。
「カセットコンロは荷物になるのでは?」という方には小型のバーナーがおすすめ。
カセットコンロは、お湯を沸かしたり、レトルト食品や缶詰を温められます。赤ちゃんのミルクを作るときにも必要になりますね。
避難生活での食事で大切なこと


避難生活での食事で大切なことは、周囲の人に食料を持っていることがバレないようにすることです。
いくら日本人の民度が高いとは言え、避難生活では盗難や他人同士のトラブルは当たり前にあります。
避難したての頃は、食べるものがないのが普通です。
あなたが食料を持っていることがバレたらどうなると思いますか。
被災した人たちが集まれば、その中に正義感を振りかざす「正義マン」と呼ばれるリーダーぶった人や、「子どもに少し分けてもらえないでしょうか?」と言ってくる「クレママ」と呼ばれる人が現れます。
正義マンは「助け合いの精神が大事」などと言って、あなたの持ち込んだ食料品などを奪おうとします。
クレママはあなたが子どものために持っていたお菓子まで奪おうとします。
この状況ではあなたとあなたの家族のために蓄えた食料を、何も準備しなかった人たちに分け与える羽目になります。
私はハッキリと言います。
「あなたが蓄えた食料は、あなたとあなたの家族で食べればいい」
しかし食べ物がない中で、自分たちだけ平気な顔をして食べられる人はなかなかいませんよね。
あなたが赤の他人に分け与えられるほどの備蓄があるならともかく、そもそも絶対数がないのに平等に分け与えることは不可能です。
ですからハッキリと断れないのであれば、せめてバレないようにだけしてください。
一番いいのは避難所には入らず、テントを用意して避難生活をすることです。
テントでの避難生活はプライバシーを確保できて、周囲の人たちにバレる心配が減ります。
<テントでの避難生活のメリットはこちら>


まとめ


避難生活での、食事の大切さがわかりましたね。
簡単にまとめると
- 食料はすぐには手に入らない
- 最低でも3日分の食事を確保
- 消費期限が長いもの
- 簡単に食べられるもの
- 家族の年齢やアレルギーを考慮
- カセットコンロでおいしく食べる工夫
- 他人に分け与える必要はない
防災士の研修では
「まずは自分と家族が助かる方法を考えろ」
と教わります。
これは東日本大震災の教訓です。
東日本大震災では、他人を助けようとした多くの人たちが、津波によって犠牲になっています。
ほんとうは助かるはずの命が奪われたのです。
避難生活の食事についても、あなたとあなたの家族のことを一番に考えてください。
正義マンやクレママの言うことは聞かなくてもいいです。
結局、その人たちは何も準備をしてないから、あなたの食料を横取りしようと考えているだけですから。
<人に頼っても避難生活は送れない>

