突然の避難生活で、ほとんどの人は不眠状態に陥ります。
被災したことへの不安や、慣れない避難生活のストレスに加え、寝不足が続くと、体調不良やうつ状態になるなど、精神面に大きなダメージとなります。
体や心の健康を維持するためには、やはり睡眠が大切になってきます。
今回この記事では、避難生活の中で少しでも快適な睡眠がとれる工夫についてお話していきます。
まずは睡眠環境を整える

ここでは私が推奨するテントでの避難生活をベースにお話します。
<避難生活はテントがベスト>

テントを整える
避難生活でも質の高い眠りを得るためには、環境が大切です。
まずはテントを整え、より快適にする工夫を見ていきましょう。
テントの下にシートを敷く

テントは薄い生地が直接地面に触れているため、地面の感触や湿気、冷気などを感じやすくなります。
これを防ぐためには、テントの下に厚手のシートを敷きます。
テントの下に敷くシートを「グランドシート」と呼びます。
テント専用のグランドシートもありますが、ホームセンターに売っている厚手(#3000)のブルーシートで十分です。
テントの下にシートを敷くメリットは
- テントを保護する
- テントの底からの浸水を防ぐ
- 湿気を遮断する
- 底冷えを防ぐ
などですね。
シートはテントからはみ出さない1周り小さいものを選びます。
テントより大きいシートだと、雨が降った時に、シートの上に水が溜まってしまうからです。
テントの中に敷物を敷く

テントの中に敷くシートのことをインナーシート、マットのことをインナーマットと呼びます。
下から順番に
- グランドシート
- テント
- インナーシート
- インナーマット
- 寝袋(または毛布など)
です。
インナーシートは下からの冷気、湿気の遮断、インナーマットは保温の役割を果たします。
快適に眠るための必需品です。
インナーシートは銀マットでも代用可能ですがかさばります。防災に使用するなら、テントのサイズに合わせた専用のものがおすすめです。
インナーマットはクッション性の高いものを選びましょう。
寒い時期などはダンボールを下に敷き詰めるなどの工夫をすると、暖かくより快適に眠ることができます。
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寝袋を準備する

キャンプが趣味というご家庭以外は、なかなか持っていない寝袋。
寝袋は、避難生活において、とても重要な役割を果たします。
災害が起き、突然避難生活をすることになった時、役場や避難所にある防災用の毛布には限りがあります。
夏でも、深夜から明け方にかけてはぐっと気温が下がることもあり、何か1枚でも掛けるものが欲しくなりますよね。
冬の寒い時期では、例え毛布が1枚あったとしても、広い体育館やテントの中は外より少し暖かい程度、毛布1枚では寒くて眠れるはずもありません。
ここで役に立つのが寝袋です。
おすすめするのは、3シーズン対応の封筒型寝袋です。

封筒型の寝袋は、布団と同じ感覚なので、寝袋に慣れない方でも快適で眠りやすいですし、寝袋は1人に1つなので、引っ張られることがなく、睡眠を邪魔されません。
また、気温が高い時期は、ファスナーを全開にすれば、普通の掛ふとんみたいになるので快適です。
しかし、冬だと寝袋だけでは寒いです。冬用の寝袋があれば話は別ですが、冬用の寝袋は値段が高いです。
冬は、3シーズン対応の寝袋にプラスして、フリースインナーや毛布を併用したり、服装で調整するようにしましょう。
幅150cmのワイドタイプの寝袋。2人での使用も可能で上下を分割すると2人別々に使えます。
暖かいフリース素材のインナーです。
4シーズン対応の寝袋です。
<安い寝袋は使える?>

音と光を遮断する
避難生活で気になるのが、音と光です。
いくらテント同士の距離があると言っても、夜中の物音や話し声は聞こえてきますし、外を歩く足音も気になります。
それとテントは光を通すので、夜トイレに行く人の懐中電灯の明かりで照らされたり、日中などに仮眠をとる場合などは光が気になって眠れないことも。
音と光に関しては、耳栓やアイマスクで自己防衛するしかありません。
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ワンランク上の睡眠
ここまでは避難生活において、必要最低限整えておきたい睡眠環境をご紹介してきました。
ここからは、ワンランク上の快適な睡眠を得るための方法をご紹介します。
夏場の快適な睡眠

夏場のテントは、太陽の熱によってかなり室温が上昇します。
一度こもった熱は、夜でもなかなか逃げないもの。
キャンプであれば木陰を探してテントを張ることも可能ですが、避難生活はなかなかそうもいきません。
汗をかきやすい子どもや、赤ちゃんは熱中症になってしまうことも。
暑い季節に快適な睡眠をとるためには、対策がとても重要になってきます。
テントは、空気の循環を促すベンチレーション機能があるものを選べば、蒸し暑さを和らげてくれます。また、日中は定期的にテントに水を掛ける「打ち水」も効果的です。
熱帯夜には、ポータブルクーラーや扇風機を使うことを考えて、ポータブル電源を用意しておくのも1つの方法です。
ポータブル電源の記事はこちら

災害時に役に立つポータブルクーラー
冬場の快適な睡眠

冬場のテント内は、雨風は凌げるものの、気温は外とさほど変わりがありません。
いくら高機能な寝袋を使ったとしても、最初は冷たくてなかなか寝付けませんので、電気毛布を使うことをおすすめします。
まとめ
被災したことへの不安や、慣れない避難生活のストレスに加え、寝不足が続くと、体調不良やうつ状態になるなど、精神面に大きなダメージとなります。
体や心の健康を維持するためには、やはり睡眠が大切です。
- テントを整える
- 寝袋を準備する
- 音と光を遮断する
- 夏、冬の対策をとる
慣れない避難生活でも、しっかりと睡眠がとれる対策を行いましょう。
<人に頼ってばかりでは避難生活は送れません>
