「災害時の我が家のルール」防災会議を開いて家族で決めることが大切

いざ災害が発生した時、家族が一緒とは限らない。

だから災害発生時の防災対策について、家族で話し合っておくことが大切である。

これが家族の命を守る要だと言っても過言ではない。

今回この記事では、家族で話し合って決めておくことや普段から準備しておくことについて、防災士教本を基にお話していく。

<今回の記事の内容は>

  • 家族防災会議
  • 防災用品の準備

大きく分けてこの2つの内容をお話する。

目次

防災会議で家族で決めておくこと

いざという時のために、災害発生時の避難場所や家族同士の連絡方法などの「わが家のルール」を家族全員で話し合って確認しておくことが大切である。

防災会議と言っても固く構えることはない。

夕食時など家族が集まる時に、過去の震災や風水害をもとに「わが家のルール」を決めればいいのである。

<家族防災会議で話し合っておくべきこと>

  1. ハザードマップなどから、災害リスクを確認
  2. 自宅の危険箇所・安全な場所
  3. 避難場所や避難所への経路
  4. 災害時の対応確認(ガス栓・ブレーカーの措置など)
  5. 家族の連絡方法

ハザードマップから災害リスクを確認

ハザードマップはお住まいの市町村のホームページか市町村役場でもらえる。

ハザードマップから自宅及びその周辺や職場、学校周辺の災害想定(土砂災害、津波被害など)の確認を行う。

東日本大震災では地震発生後、自宅の様子が心配で帰宅した際に津波の犠牲になった方も大勢いる。

自宅周辺や職場周辺などはどの災害に対してどの程度危険なのか、知っているのと知らないとでは生存確率に大きな差が出るのである。

自宅の安全な場所・危険な場所

災害が発生した時、自宅のどの箇所が危険で、どの場所が安全かをあらかじめ確認しておく。

自宅などでは一般的に1階より2階、面積が狭く四隅に柱のがある空間(例えば、トイレ、お風呂場など)が安全とされている。

反対に危険な場所は自宅の中でも比較的広い空間であるリビングや、角に窓がある部屋などは危険とされている。

また重たい家具がある場所や、食器棚のあるキッチンも家具の転倒などの恐れがあり危険である。

自宅にいた時に大地震が発生した場合など、どの位置が安全か確認しておくことが重要である。

避難場所や避難所への経路

まず避難場所と避難所の違いを説明する。

避難場所とは

避難場所のマーク

避難場所は地震などにより地域全体が危険になった場合に避難する場所で、余震や火災などがおさまるまでの間、一時的に待つ所である。

具体的には大規模な公園や緑地、学校の校庭などが指定されている。

避難場所には基本、建物はなく食糧や水などの備えはない。

避難所とは

避難所のマーク

避難所は地震や火災などで自宅が被害にあった方や、被害を受ける恐れのある方が一定の期間、生活をする建物である。

具体的には小中学校の校舎や体育館、公民館などの公共施設などが指定されている。

避難所では、食糧や水などの備蓄品を備えている場合が多いです。

避難場所、避難所への経路は、ハザードマップを確認して災害リスクの少ない道路を選ぶことが重要である。

ハザードマップから避難場所、避難所の確認をする

お住まいの地域のハザードマップには、近所の避難場所や避難所が記載されている。

自宅から近い避難場所、避難所の確認、避難経路の確認をしておく。

注意!避難時のリスクも想定する

大地震や大雨の場合、海沿いの地域では津波、山沿いでは土砂崩れ、低い土地では河川の氾濫などのリスクも想定しなくてはならない。

避難する場所や経路が、各リスクに対して安全かを確認しておくことが重要である。

津波警報などが発令された場合、やみくもに避難場所や避難所に避難するのではなく、近くの高台などに避難することも検討する必要がある。

<正しい避難行動がとれますか?避難で命を落とさないためにも>

災害時の対応確認

大地震が発生した場合、火災が発生する割合が高くなる。

地震が発生して揺れが収まった後に、どのような対応をしなくてはならないか、家族全員で話し合い共有しておくことが大切である。

家族の連絡方法

大規模な震災が発生した場合、人々が一斉にスマートフォンなどから電話を使用するために、輻輳(ふくそう)によって電話が繋がりにくい状況になる。

※輻輳(ふくそう):電話回線にアクセスが集中して混雑すること

私は2016年10月に発生した「鳥取県中部地震」の際に、輻輳による電話が繋がりにくい状況を体験した。輻輳が解消するまでに2時間ほどかかったと記憶している。

<発災直後に有効な連絡手段>

  • SMS(ショートメッセージ)
  • SNS(ツイッター、インスタグラム、フェイスブック、ラインなど)
  • 災害用伝言ダイアル(171)
  • 災害用伝言板

発災時に家族間でどの連絡手段を活用するかなど、あらかじめ決めておいて日頃から訓練をするなど準備することが重要である。

<安否確認について詳しくはこちらの記事へ>

防災用品の準備

家族の命と健康を守るため、日頃から防災用品を揃えておく必要がある。

自分たち家族に何が必要かを考え、できる限り「普段から使えるもの」を揃え「普段から使うように心がける」ことが重要である。

アウトドアやキャンプなど用品は防災に役にたつものも多く、家族とのレクリエーションの中で「防災用品を取り入れてみる」のもあり。

<防災用品の種類>

  • 非常用備蓄品
  • 非常用持ち出し袋
  • 防災資機材

<防災備蓄品についてはこちらの記事へ>

家庭内の非常用備蓄品と保管場所の確認

家庭内での備蓄品は、7日間分を備蓄することが望ましいとされている。

飲料水(料理にも使用)は1人1日3リットルを必要とする。

日頃から期限切れの食品や薬などがないかチェックしておく必要がある。

非常食の備蓄の工夫として「ローリングストック法(日常的に非常食を食べ、食べたら買い足すを繰り返し、常に新しい非常食を備蓄する方法)」がある。

<家庭内備蓄品の例>

非常食 飲料水(1人1日3リットル)、缶詰やレトルトのご飯
 アルファ米、栄養補助食品、インスタント食品
 おかず、梅干し、調味料、菓子類 
燃  料 卓上コンロ、携帯コンロ、固形燃料、ガスボンベ
生活用品 毛布、寝袋、洗面用具、ドライシャンプー、バケツ
 ポリ容器、トイレットペーパー、鍋、やかん
生活用水 風呂などへの水の汲み置き、雨水タンク
その他 ラップ、使い捨てカイロ、シート、ビニール袋
 新聞紙ローソク、ガムテープ、ペットフード、薬
 赤ちゃん用品 など

備蓄品の保管場所は各種バラバラに保管せず、一定の場所に決めておくといざという時にわかりやすい。

非常用持ち出し袋の準備

非常用持ち出し袋の中身は最低でも家族が3日間生活できるものを、リュックに詰めてわかりやすい場所に置いておく。

現在は必要な防災グッズをセットにしたものが販売されてので、それを活用することをおすすめする。

<非常用持ち出し袋の例>

貴 重 品 現金、キャッシュカード、通帳、印鑑、免許証
 権利証書、健康保険証 
非常食品など ミネラルウォーター、アルファ米、おかず、缶詰
 栄養補助食品、お菓子、多機能ナイフ、ラップ
 赤ちゃんのミルク など
応急医薬品 絆創膏、ガーゼ、包帯、三角巾、消毒薬、胃腸薬
 鎮痛剤、解熱剤、目薬、常備薬、処方薬
生活用品 衣類、タオル、マスク、軍手、雨具
 ティッシュペーパー、ウェットティッシュ
 ライター、ビニール袋、生理用品
 紙オムツ、携帯トイレ
その他 携帯ラジオ、スマホ、充電器、懐中電灯、電池
 モバイルバッテリー、眼鏡、大切な物

最近では災害時の留守を狙う窃盗団が街に入って来るようになっている。

避難場所や避難所へ避難する際は、貴重品も持って行くようにすることが重要である。

<非常用持ち出し袋についてはこちらの記事へ>

防災資機材などの準備

地震による災害を想定すると、必要と思われる防災資機材が際限なく増えてしまう。

まずはご家庭で「家族を救助する・家族の被害を最小限にする」ための資機材を揃えておくことが重要である。

<防災資機材の例>

救出救護 バール、ジャッキ、スコップ、のこぎり
 大工道具、ヘルメット、はしご、ロープ、発電機
 投光器、救急用品、担架、車いす、毛布、テント
 ブルーシート、ポータブル電源、石油ストーブ
消  火 消火器、バケツ、ポンプ
避難誘導 懐中電灯、ヘッドライト、ロープ、旗
給食吸水 かまど、バーベキューグリル、鍋、燃料(薪、炭)
 浄化装置、ライター、マッチ、ビニール袋
情  報 携帯ラジオ、トランシーバー、筆記用具、メモ用紙
家の片付け ほうき、ちり取り、ガムテープ

救助活動の三種の神器

 救出活動のためには、倒壊した建物の屋根やドアを破壊して進入路を切り開いたり、要救助者の上になっている家具などを持ち上げたりする必要があります。そこで「救助活動の三種の神器」といわれているのは「バール、ジャッキ、のこぎり」です。

 実際に過去に発生した大震災の際も、この「バール、ジャッキ、のこぎり」が活躍して、地域住民の手によって、数多くの被災者が救助されています。

発災直後は自分たちの手で救助するしかない

 大地震による災害時には、家屋の倒壊などによって自力で脱出できない人が多数発生します。これらの人の救出は一刻を争いますが、災害の規模が大きければ大きほど「消防、警察、自衛隊」による救出作業がすぐに始動することが困難になります。

 実際に、阪神・淡路大震災では、要救護者の約77%を救出したのは近隣住民でした。しかし、地域住民による救出活動で問題となったのは、救出のための資機材が圧倒的に不足していたことでした。

 まずは家族をいち早く救出するための資機材を揃えておきましょう。

防災資機材にぜひ揃えて欲しいものは「ヘッドライト、石油ストーブ」である。

まずヘッドライトだが、ヘッドライトの最大のメリットは両手が空くこと。

夜間に避難することを想定すれば、片手は子どもなど家族と手をつなぎ、片手には荷物を持つことができる。

次に石油ストーブだが、灯油さえあれば暖をとることも、お湯を沸かすことも、周辺を照らすこともできる。

<ヘッドライトについてはこちらの記事へ>

<石油ストーブについてはこちらの記事へ>

まとめ

普段の生活では「災害がおこる」という意識を持って生活をしている人はほとんどいないのではなかろうか。

しかしどんな地域に住んでいても、災害は必ず発生するのである。

もしかしたら次の瞬間に、私たちは被災者になっているかもしれない。

もしかしたら私たちの大切な家族、友人が命を落とすかもしれない。

いつ発生するかわからない災害に対して備え、発生した災害の中でどうやって生き延びるかを考えて実行するのが防災である。

日頃から準備をし訓練をすることで、大切な命を守ることができるのである。

皆さんにおかれましては「自分だけは大丈夫」などという考えは捨てていただき、ぜひ防災について真剣に取り組んでいただきますようお願いする。

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